日帰り, 1回目, 曇り, 2020年度中62湯目

埼玉県戸田市のスーパー銭湯「七福の湯 戸田店」で入浴した。地下 1,400 m から湧く古代海水系の温泉を 40 ℃ 位で使用している。ガッツリとした重みのある泉質では無いが、時間をかけて効いてくる湯だった。

施設・温泉概要

所在地: 埼玉県戸田市喜沢南1-4-56
Web: 七福の湯 戸田店
日帰り入浴: 可 平日9:00-25:00 土日祝7:00-25:00 (入場24:30まで)
宿泊: 不可

源泉名: 七福の湯 戸田温泉
湧出地: 埼玉県戸田市喜沢南1-4-56
湧出量: 320 ℓ/分 (掘削1,400m・動力揚湯)
泉温: 40.5 ℃
pH: 7.9
成分総計: 8,504 mg/kg
泉質: ナトリウム-塩化物温泉 (等張性・弱アルカリ性・温泉)
旧泉質名: 食塩泉 / 純食塩泉
一番良い浴槽の温泉利用方法:

加温 加水 循環 消毒

戸田市のスーパー銭湯

戸田温泉 七福の湯は埼玉県の戸田市にある大きなスーパー銭湯。徒歩なら JR 東北本線の西川口駅で降りて 1.5 km ほど。焼肉屋と中華料理屋が気になった。

経営は長野市の土木・建設の会社で、他にもいくつかのスーパー銭湯をやっている。七福の湯 前橋店や七福の湯 上越店、蔵の湯 東松山店、蔵の湯 鶴ヶ島店、はつかり温泉 川越店、埼玉県神川町のかんなの湯、千葉市のSpa Resort 蘭々の湯がそうだ。意外と多い。長野の会社だが埼玉に多く出店している。今回訪れた戸田店は2008年のオープンで、七福の湯3店の中では最も新しい [1]

外観
⬑ 2階建ての大きなスーパー銭湯

入口
⬑ 玄関は少しこだわりのある意匠

紹介
⬑ 入口には温泉ポエムが掲げられていた

かすむ秩父の山並みを背に
豊かな荒川の流れと
うるわしい武蔵野の大地をふるさととするこの地に
地中深くより温泉が湧き出しました。
この大地の恵みに感謝して
「天然温泉・七福の湯」が生まれました。
日々の暮らしでは、味わうことの出来ない野天の開放感
「美人の湯」といわれる上質の温泉。

館内図 1F
⬑ 1Fには食事処の他、利用していないがチムジルバンスパがある

館内図 2F
⬑ 浴場は2Fで男女別の内湯、露天風呂がある

館内 入口
⬑ フロントで入浴券を渡して入場する

100%源泉かけ長し天然温泉でほんのり湯ったり
⬑ 温泉は掘削1,400m

浴室入口
⬑ 謎の福のれんをくぐって脱衣場へ

ジワジワと効いてくる塩辛い温泉

温泉を使用する浴槽は、内湯あつ湯と、露天風呂の100%源泉風呂と天然温泉岩風呂。いま公式 Web ページを見ると壺湯も掲載されているが、メモには残っていない。どうしたことだろう。

露天風呂の2つの浴槽は隣接しているが、源泉風呂の方が少し高くなっている。源泉風呂の浴槽は岩風呂で6人がゆったりと入浴できる大きさの円形。角に岩組みの湯口があって温泉がジャバジャバと注がれている。湯口から注がれる湯はやや温めで加温無し、加水無し、循環無しと思われた。湯口以外に浴槽底面からの熱湯注入があって明らかに加温している。こちらは加温有り、加水無し、循環と塩素消毒は有り? と推測。

下段の岩風呂にはテレビが設置され常に8人程が入浴しており満員状態になっていた。そのためほとんど浸かっていないが、完全な加温有り、加水有り、循環有り、消毒有りと思われる。湯口も無い。上下2つの浴槽とも、温度は39℃弱と表示されていた。

個人的にテレビが浴場にあるのは好まないが、埼玉県南西部のスーパー銭湯では避けられない存在である。直近では先々週に入浴した 極楽湯 和光店 (2020/10/18) にもあった。一番良い浴槽でなく、二番手の浴槽の傍らに設置されているのは寧ろ良心的と言えよう。


  1. 会社概要|沿革|株式会社 本久 ↩︎

極楽湯 和光店 (2020/10/18)
純食塩泉+腐植質「極楽湯 和光店」

内湯のあつ湯は6人が入浴できる大きさの浴槽。加温有り、加水有り、循環有り、消毒有りのようだったのであまり入浴していない。温度は41℃と表示が有り、露天風呂と比べると少し温度が高く調整されている。

温泉の色は茶褐色透明で紅茶のような赤みを帯びていた。訪問時は既に夜になっていたが、浴槽の底は薄っすらと見えた。

源泉岩風呂の湯口から温泉を手に汲んで飲んでみると、あまり強くはないが明確な塩味が感じられた。雑味も少なく素朴な食塩味。匂いは同様の印象で弱い食塩スープ臭だったが、イソジンの匂い、強いヨウ素臭があった。塩素消毒臭は特に感じず。ヨウ素の匂いは身体に染み付いて、湯から上がって家に帰る間も掌からイソジンの匂いを放っていた。

湯の感触はややツルツル、スベスベとし、温泉らしさを感じられた。メタけい酸の効果だろうか。身体の温まりは弱く、いつまでも湯に使っていられそうである。しかし水分の消費は強めで、長湯するとガッツリとのぼせて苦しい程。成分総計は 10,000 mg/kg に届かないが、純食塩泉か、ヨウ素の効果か。ほどほどで休みながら浸かるのが良いだろう。

温泉の成分

温泉分析書は案内板に印刷して館内に掲示されていた。

温泉分析書
⬑ 源泉名は「七福の湯 戸田温泉」

以下は自前のプログラムに分析書のデータを入力して、自動計算したもの。本物の分析書とは計算精度等の理由によりやや値が異なる場合があるかもしれない。

源泉名: 七福の湯 戸田温泉
湧出地: 埼玉県戸田市喜沢南1-4-56
分析年月日: 令和2年1月27日

湧出量 320 L/min (掘削・動力揚湯)
pH 7.9
泉温: 40.5 ℃ (調査時における気温13℃)
泉質 ナトリウム-塩化物温泉 (等張性・弱アルカリ性・温泉)
溶存物質合計 (ガス性のものを除く) 8485.4 mg/kg
成分総計 8504.8 mg/kg

温泉の成分は以下の通り:

(1) 陽イオン
成分ミリグラム [mg/kg]ミリバル [mval/kg]ミリバル% [mval%]
ナトリウムイオン (Na+)2888.0125.6291.06
カリウムイオン (K+)80.402.061.49
アンモニウムイオン (NH4+)8.100.450.33
マグネシウムイオン (Mg2+)50.004.112.98
カルシウムイオン (Ca2+)113.605.674.11
アルミニウムイオン (Al3+)0.100.010.01
マンガンイオン (Mn2+)0.400.010.01
鉄 (II) イオン (Fe2+)0.800.030.02
陽イオン計3141138100.00
(2) 陰イオン
成分ミリグラム [mg/kg]ミリバル [mval/kg]ミリバル% [mval%]
フッ素イオン (F-)0.200.010.01
塩素イオン (Cl-)4618.0130.2693.26
臭素イオン (Br-)26.700.330.24
ヨウ化物イオン (I-)8.400.070.05
硫化水素イオン (HS-)<0.10< td>----
チオ硫酸イオン (S2O32-)<0.10< td>----
硫酸イオン (SO42-)1.600.030.02
炭酸水素イオン (HCO3-)544.308.926.39
炭酸イオン (CO32-)1.500.050.04
陰イオン計5201140100.00
(3) 遊離成分
非解離成分:
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
メタケイ酸 (H2SiO3)129.701.66
メタホウ酸 (HBO2)13.600.31
非解離成分計143.301.97
溶存ガス成分:
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
遊離二酸化炭素 (CO2)19.400.44
遊離硫化水素 (H2S)<0.1< td>--
溶存ガス成分計19.400.44
(4) その他の微量成分
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
総砒素 (As)0.005未満--
総水銀 (Hg)0.0005未満--
銅イオン (Cu)0.05未満--
鉛イオン (Pb)0.05未満--
カドミウムイオン (Cd)0.01未満--
亜鉛イオン (Zn)0.01未満--
微量成分計0.000.00

下記にも掲載しました。
七福の湯 戸田温泉 - 湯花草子

成分はナトリウムイオン、塩化物イオンが 90% 強を占めており、純食塩泉の泉質。関東平野の大深度掘削源泉ではお馴染の古代海水由来の温泉と思われる。メタけい酸も 130 mg/kg と多く含まれる。

七福の湯 戸田店では掘削 1,400 m。付近の温泉でも戸田温泉彩香の湯が掘削 1,500 m、巣鴨の東京染井温泉が掘削 1,800 m、前野原温泉さやの湯処は掘削 1,500 m で、いずれも古代海水温泉を使用しているが、成分総計で行くなら前野原温泉さやの湯処 22,160 mg/kg がダントツで多い。