日帰り, 1回目, 雨, 2020年度中47湯目

新潟県の五頭温泉郷のふるさと納税宿泊券を使うために新潟県にやって来た。安田ICで降りて宿泊先へ向かう途中「安田温泉やすらぎ」で日帰り入浴した。時期のせいか温泉浴槽は落ち着いており気持ち良く長湯したが、食塩成分を初めとして色んな成分がこってり入っていて水分を持っていかれるので、のぼせないように気をつけよう。

施設・温泉概要

所在地: 新潟県阿賀野市保田6075-3
Web: 安田温泉やすらぎ
日帰り入浴: 可 9:30-21:30
宿泊: 可 5,900円〜

源泉名: 安田温泉
湧出地: 新潟県阿賀野市保田6075-3
湧出量: 200 ℓ/分 (掘削・動力揚湯)
泉温: 27.6 ℃
pH: 6.9
成分総計: 29060 mg/kg
泉質: 含ヨウ素-ナトリウム-塩化物強塩温泉 (高張性・中性・低温泉)
旧泉質名: 食塩泉 / 含ヨウ素食塩泉

一番良い浴槽の温泉利用方法:

加温 加水 循環 消毒

安田瓦の工場跡を改装

「安田温泉やすらぎ」は新潟県阿賀野市の安田地区にある温泉施設。見た目は日帰り入浴施設っぽいが、宿泊もできて客室は7室ある。2004年8月、瓦工場の鉄筋を残してリフォームして開業したとのこと。

安田温泉 記事
⬑ 記事の切り抜きに書いてあった

磐越道・安田ICを降りて約5分、粘土質でつくられる上質な瓦の産地である旧安田町に宿泊施設を併設した日帰り温泉施設の「やすらぎ」が開業したのが2004年8月、歴史ある瓦工場の鉄筋を残し、モダンな造りの温泉施設に生まれ変わったことから話題を呼び、開業当初は、満員御礼の日々が続いたという。現在は落ち着きを取り戻し、300畳ある広い休憩室を兼ねた食事処があることから、週末でも比較的ゆったり過ごせると、遠方からのお客さんにも好評となっています。
内風呂は地下水を加熱した非天然のお湯となっていますが、五頭連峰の豊富なミネラル分を含んでいることから、柔らかな肌触りが特徴。肝心の露天風呂は、屋根を設けた庭園風の温泉湯舟。敷地内の源泉から毎分200リットルもの豊富な湯が注がれる湯は、炭酸成分や鉄分が含まれた、近隣の温泉地では珍しい薄い茶褐色の湯。淡い塩味や鉄独特の匂い、時には油臭もあるのが天然温泉の証です。その昔、この地が「上野林 (うわのばやし)」と呼ばれていたことからわかるように、樹木が堆積され粘土質の土となり、上質な瓦が生まれるようになったのだとか。それゆえに、源泉を汲み上げる際に湯と一緒に粘土がでることから濾過する必要があるというのはうなずけます。完全かけ流しの湯でなくても、希釈せずに天然の湯の温かさに包まれれば、瓦と同じく強固な体に生まれ変われそうな気持ちになります。
温かいのは湯だけではないのがこちらの自慢。休憩室兼食事処を除いた廊下や、内湯、露天風呂の床までもボイラーで保温されているのは驚き。目に見えない温かい気配りは年配者にはすこぶる好評。寒さしらずの館内で、ひと足早い春の暖かさが実感できます。

安田温泉 外観
⬑ 改めて見ると2階に客室が並んでいた

安田温泉 入口
⬑ 入口は日帰り入浴的なごちゃつき感

安田温泉 券売機
⬑ 券売機で利用券を買って受付に渡す

安田温泉 館内
⬑ 受付左に広い休憩室、奥に脱衣場の暖簾

安田温泉 脱衣場入口
⬑ 脱衣場へ

安田温泉 脱衣場
⬑ 脱衣場には300室以上のロッカー

奥側が内湯に続いている。

危険な誘惑のある強塩泉

温泉使用の浴槽は露天風呂の浴槽3つ。内湯を真っ直ぐに歩いて通り抜けると露天風呂に出られる。浴槽は温度違いになっていて、「ぬるい湯」「少し熱い湯」「熱い湯」がある。

「ぬるい湯」の浴槽が一番大きく、20人が足を伸ばして入浴しても余裕のありそうな広い楕円系の岩風呂で、温度は39℃程度。「少し熱い湯」は41℃程度、「熱い湯」は42℃程度で、「ぬるい湯」と同じ位の面積に2つの円形の岩風呂が配置されている。

3つの浴槽の中間、真ん中に柱が立てられていて、その傍らに湯口がある。天井から湯口の上部に冷たい源泉のパイプが延びてきており、湯口下からは熱い湯が湧き出している。この混合比によって温度を調整して3つの浴槽に注がれている。

湯口周囲の岩は見事な茶色にコッテリコーティングされている。部分的に細かいボコボコの析出物が出来上がっている。浴槽も水面になる場所のぐるりが薄く茶色にコーティングされ、少しボコボコしている。水面のすぐ下あたりは濃い緑色が染み付いていた。酸素が作られそうな色をしている。

湯口から流下する湯は、岩を伝い浴槽へ注がれる。音は無く静かだ。水面も穏やかで平坦だが、少しだけ波紋がある。いずれにしろ、賑やかな館内とは裏腹に落ち着いた浴槽。

湯の色は山吹色に近い茶色で透明。見通しは40cm強で浴槽の底がかろうじて見えた。湯の中を覗くと白っぽく見える湯の華が少し舞っていた。沈んだり浴槽壁面に付着しているようで、入浴時や壁面に触れた時に増加して見えた。

飲んでみると鹹味で、そこそこ濃く塩辛いものの、口の中にビリビリ来るほどではない。成分総計20g/kg程度の印象。源泉は29g/kgだが、冒頭の記事によると、温泉中に粘土が混ざるので濾過しているとのことだから、こんなものだろう。塩辛さのあとに苦味が続き、食塩と出汁スープの味覚。

匂いは粘土臭と食塩スープ出汁の香り。湯を直接嗅ぐと少し金気臭も感じられた。病み付きになる匂いだ。

湯の温まりはそれほど強くなく、際限無く入浴できるが、それゆえに危険な誘惑のある湯。入浴中、知らぬ間に身体から水分、体力がかなり抜けているようだ。立ち上がったとき、不意に強い立ちくらみに襲われ気がついたらバシャッと転んでいた。徹夜で来たせいもあるけど。湯の肌触りは特に無く意外にもさっぱりしている。入浴後の汗の引きも早い。

安田温泉 温泉
⬑ 安田温泉

温泉の成分

温泉分析書は露天風呂の壁に掲示されていて控えなかった。Web上で検索すると数値のみ紹介しているページがいくつかあり矛盾は無かったので、それらを参考に記載する。

以下は自前のプログラムに分析書のデータを入力して、自動計算したもの。本物の分析書とは計算精度等の理由によりやや値が異なる場合があるかもしれない。

源泉名: 安田温泉
湧出地: 新潟県阿賀野市保田6075-3
分析年月日: 平成15年8月7日

湧出量 200 L/分 (掘削・動力揚湯)
pH 6.9
泉温: 27.6 ℃
泉質 含ヨウ素-ナトリウム-塩化物強塩温泉 (高張性・中性・低温泉)
溶存物質合計 (ガス性のものを除く) 28747.7 mg/kg
成分総計 29060.4 mg/kg

温泉の成分は以下の通り:

(1) 陽イオン
成分ミリグラム [mg/kg]ミリバル [mval/kg]ミリバル% [mval%]
リチウムイオン (Li+)1.100.160.03
ナトリウムイオン (Na+)9261.0402.8386.98
カリウムイオン (K+)521.1013.332.88
アンモニウムイオン (NH4+)219.2012.152.62
マグネシウムイオン (Mg2+)196.4016.163.49
カルシウムイオン (Ca2+)349.5017.443.77
ストロンチウムイオン (Sr2+)3.800.090.02
アルミニウムイオン (Al3+)2.900.320.07
マンガンイオン (Mn2+)0.300.010.00
鉄 (II) イオン (Fe2+)16.200.580.13
陽イオン計10574463100.00
(2) 陰イオン
成分ミリグラム [mg/kg]ミリバル [mval/kg]ミリバル% [mval%]
フッ素イオン (F-)0.1未満----
塩素イオン (Cl-)16480464.8494.77
臭素イオン (Br-)80.801.010.21
ヨウ化物イオン (I-)41.600.330.07
硫化水素イオン (HS-)0.1未満----
硫化物イオン (S2-)0.1未満----
チオ硫酸イオン (S2O32-)0.200.000.00
硫酸水素イオン (HSO4-)5未満----
硫酸イオン (SO42-)5未満----
炭酸水素イオン (HCO3-)1481.024.274.95
炭酸イオン (CO32-)0.900.030.01
陰イオン計18084490100.00
(3) 遊離成分
非解離成分:
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
メタケイ酸 (H2SiO3)79.001.01
メタホウ酸 (HBO2)10.600.24
非解離成分計89.601.25
溶存ガス成分:
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
遊離二酸化炭素 (CO2)312.707.11
溶存ガス成分計312.707.11
(4) その他の微量成分
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
微量成分計0.000.00

下記にも掲載しました。
安田温泉 - 湯花草子

成分総計 29060 mg/kg でかなり濃い食塩泉。古代海水に起因するようだが、アンモニウムイオン、鉄イオン、臭素イオン、よう素イオン、遊離二酸化炭素の量がかなり多くてんこもりな泉質。

参考