日帰り, 3回目, 曇り, 2020年度中31湯目

那須岳の温泉巡りを思い、その道中で「越谷天然温泉美人の湯 ゆの華」に寄った。

「越谷天然温泉美人の湯 ゆの華」は、埼玉県南部の越谷市にあるスーパー銭湯。源泉かけ流しをしているという情報を得て訪れたが、生源泉風呂があるのは男女入替わり式の2つの浴場のうち、1つだけだったようで今回は無い方にあたってしまった。それでも湯のヌルヌルした感触は黒湯感があって上々だった。また訪れたい。

施設・温泉概要

所在地: 埼玉県越谷市大間野町3-61-1
Web: ゆの華 越谷
日帰り入浴: 可 日〜金10:00-26:00, 土曜10:00-28:00, 入館閉店30分前まで
宿泊: 不可

源泉名: 越谷天然温泉 美人の湯
湧出地: 埼玉県越谷市大間野町三丁目60番1
湧出量: 290 ℓ/分 (掘削1200m・動力揚湯)
泉温: 39.2 ℃
pH: 8.1
成分総計: 2236 mg/kg
泉質: ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 (低張性・弱アルカリ性・温泉)
旧泉質名: 食塩泉 / 含重曹食塩泉

温泉の利用方法:

加温 加水 循環 消毒

過去の訪問: 2013年

温泉

越谷天然温泉美人の湯 ゆの華は、埼玉県越谷にあるスーパー銭湯。国道4号線沿いにあって、道路を走っていると「ゆ」の看板が見えるので簡単にわかる。

越谷温泉湯の華 外観
⬑ 国道4号線と「ゆ」の看板

越谷温泉湯の華 玄関
⬑ 少し古い印象のスーパー銭湯

越谷温泉湯の華 券売機
⬑ 大人750円

越谷温泉湯の華 案内
⬑ かなり高いところに、気合いの入った案内が掲示されていた

以下に書き起した。源泉に関する情報は特に無いようだ。

湯あそびひろば ゆの華 ものがたり
この店の前を通る4号線は、北は青森、南は東京につながる大幹線道路です。
この道は遥かな古代から栄えてきた道で、五街道の一つ、奥州街道と呼ばれ、江戸時代には欠かせぬ東北縦断の大交通路となっていました。
古くから、この越谷というまちは、奥州路を旅ゆく人々にしばしの安らぎをあたえる宿駅のまちでありました。多くの旅人たちが、さまざまの想いをこめて、この道を行き交ったに違いありません。

今、この道に向かって、「湯あそびひろば ゆの華」は建ち、道行く人々・地域の方々に「たくましい活力と美しい健康」を提供し、安らぎと語らいのひとときを提供する天然温泉として、高々とみちしるべの塔を掲げています。
「湯あそびひろば ゆの華」はあそび心一杯でお風呂を楽しんで頂く施設です。
マッサージ浴・シェイプ浴・運動浴・あそび浴・サウナ・大露天風呂などが設けられ、重ねてご利用になれば気分爽快、腰痛肩凝りは軽くなり、痩身効果・エステティック効果は非常に大きく、明日への活力が満ち充ちてくる施設です。
温泉は外傷を癒し、肌を美しくするナトリウム塩化物泉・重曹泉で、昔から「美人の湯」と言われている良質の温泉です。
前面の大幹線道路にちなみ、南北二つの道をイメージした、二つのお風呂を連日男女入れ替えご利用頂きますので、入浴を二倍楽しんで頂けます。
こころゆくまで「湯のはなやぎ」でほっこりとお遊びください。

一階のお風呂を、北に向かう道の行く手を想って、「やませの道」と名付けました。
「やませ」とは、東北の三陸地方で梅雨から盛夏にかけて吹く季節風のことで、この地方で育った人々には忘れられる懐かしいことばと聞きます。
お風呂は、東北の風土に似つかわしく、土と木と自然の香りに満ちた「湯あそび温泉」となっています。疲労回復・エステティック効果抜群の湯あそび機能が充滿しているお風呂です。

二階のお風呂は、南の方、花の都東京をめざし、「花街道」と名付けられています。
都市的・未来的・無機質性をイメージし、硬質の中にも豊かな華やぎを覚えるものとなっています。
「やませ」と異なる湯あそび入浴機能を満載しており、抜群のシェイプアップ効果を持つお風呂となっています。

越谷温泉湯の華 美人の湯
⬑ 源泉の概要と、温泉の使用方法の掲示

越谷温泉湯の華 メタケイ酸
⬑ 週1回以上のご入浴がおすすめよ!

館内や浴室は24時を過ぎているのにも関わらず賑わっていた。

温泉浴槽と浴感

今回、2階「花街道の湯」が男湯になっていた。これまで1階「やませの湯」しか入浴したことが無く初めての浴場。

越谷温泉湯の華 脱衣場入口
⬑ 暖簾にはたぶん「花街道」と書かれている

「花街道の湯」は西洋的なイメージの浴場で、浴槽はタイルによるカチッとした造形。温泉浴槽は露天風呂でのみ使用。丸型の主浴槽があり、四角い両翼の浴槽に打たせ湯とマッサージ湯。

ちなみにこの打たせ湯は源泉を生で使用していたようだが、浴び逃した。

越谷温泉湯の華 源泉打たせ湯
⬑ 1階生源泉風呂があるけど2階は違う、と誤読した

主浴槽は中央に柱があり、それを囲むように8人程度が入浴可能。柱は湯口になっていて、ぬるい湯が浴槽に注がれている。非加熱源泉だったのかもしれない。また、浴槽底からは熱い湯の注入もあった。合わせて浴槽の温度は41℃くらいになっていた。

湯の色は黒色の半透明で見通しは10cm強。夜で暗かったので、細かい色はわからず。湯の華は見当たらなかった。軽く飲んでみると、やや甘みがあるが概ね無味で滑らかな口当たり。匂いは塩素消毒臭も含めて無く無臭だった。感触は明確なヌルヌルがあり、手足の指先までヌルヌルした。

真夏なこともあってか、とてもよく温まる湯で長湯はしにくかった。露天風呂は休憩できるスペースが客で埋まっており、内湯は座れる場所があるが蒸し暑かったので、熱気から逃れられる場所が少なかった。

施設の入口外には、なんと飲泉所があった (冒頭の写真)。首都県の、それも国道沿いに意外な設備だ。ただ、勝手に飲泉所だと思い込んだだけで、もしかしたら源泉が展示されていただけだったかもしれない。飲んでみると、やはり水の甘みが感じられ、まろやかな舌触りだった。

温泉の成分

温泉分析書の掲示があった。

越谷温泉湯の華 温泉分析書
⬑ 源泉は「越谷天然温泉 美人の湯」

以下は自前のプログラムに分析書のデータを入力して、自動計算したもの。本物の分析書とは計算精度等の理由によりやや値が異なる場合があるかもしれない。

源泉名: 越谷天然温泉 美人の湯
湧出地: 埼玉県越谷市大間野町三丁目60番1
分析年月日: 平成22年1月7日

湧出量 420 t/day (掘さく・動力揚湯)
pH 8.1
泉温: 39.2 ℃ (調査時における気温7℃)
泉質 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 (低張性・弱アルカリ性・温泉)
溶存物質合計 (ガス性のものを除く) 2230.2 mg/kg
成分総計 2235.5 mg/kg

温泉の成分は以下の通り:

(1) 陽イオン
成分ミリグラム [mg/kg]ミリバル [mval/kg]ミリバル% [mval%]
ナトリウムイオン (Na+)658.5028.6495.31
カリウムイオン (K+)26.800.692.30
アンモニウムイオン (NH4+)2.600.140.47
マグネシウムイオン (Mg2+)1.700.140.47
カルシウムイオン (Ca2+)8.300.411.36
アルミニウムイオン (Al3+)0.200.020.07
マンガンイオン (Mn2+)<0.1< td>----
鉄 (II) イオン (Fe2+)0.200.010.03
陽イオン計69830.1100.00
(2) 陰イオン
成分ミリグラム [mg/kg]ミリバル [mval/kg]ミリバル% [mval%]
フッ素イオン (F-)0.300.020.07
塩素イオン (Cl-)587.3016.5754.80
臭素イオン (Br-)2.700.030.10
硫化水素イオン (HS-)<0.1< td>----
硫酸イオン (SO42-)<0.1< td>----
リン酸水素イオン (HPO42-)0.700.010.03
炭酸水素イオン (HCO3-)822.5013.4844.58
炭酸イオン (CO32-)3.900.130.43
陰イオン計141730.2100.00
(3) 遊離成分
非解離成分:
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
メタケイ酸 (H2SiO3)90.701.16
メタホウ酸 (HBO2)9.800.22
腐植質14.0--
非解離成分計114.501.38
溶存ガス成分:
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
遊離二酸化炭素 (CO2)5.300.12
遊離硫化水素 (H2S)<0.1< td>--
溶存ガス成分計5.300.12
(4) その他の微量成分
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
総砒素 (As)0.005未満--
総水銀 (Hg)0.0005未満--
銅イオン (Cu)0.05未満--
鉛イオン (Pb)0.05未満--
カドミウムイオン (Cd)0.01未満--
亜鉛イオン (Zn)0.01未満--
微量成分計0.000.00

下記にも掲載しました。
越谷天然温泉 美人の湯 - 湯花草子

入浴した感じは純重曹泉寄りの印象だったが、ナトリウム-塩化物 (食塩) とナトリウム-炭酸水素塩 (重曹) が半々くらいで含まれた温泉だったようだ。次回訪れたら食塩要素を探してみることにしよう。館内でもアピールしていたメタケイ酸の含有量は 90mg/kg で、なかなかの量。