日帰り 晴れ 1回目

道志の湯は山梨県道志村の公営日帰り入浴施設。道志村は山梨県の最南東に位置しており、丹沢山地を東西に貫く国道R413沿いに広がる地域。東京からほどよい距離にありながら山林や川の自然が残っているため、キャンプ場などアウトドア施設が多い。でもやっぱり山道でさえ車通りは多いので首都圏を感じる。

道志村には道志の湯の他、いくつか日帰り入浴可能な温泉旅館もあり、道志川温泉紅椿の湯、日野出屋の2軒が見つかった。また行政上は道志村ではないが、R413上で村を挟み、東側に神奈川県相模原市のいやしの湯、西側に山梨県の山中湖平野温泉石割の湯がある。北側に行くと、相模原市の藤野やまなみ温泉、上野原市の秋山温泉も実は近い。この中だと藤野やまなみ温泉しか入浴したことがないのでまだまだ攻略の余地のある地域だ。

それぞれの公式Webサイトを見てみると、いやしの湯には源泉浴槽、石割の湯に源泉ぬる湯、秋山温泉に源泉かけ流し浴槽があるらしい。

道志の湯は循環しかないので見劣りしてしまうが、現実には大盛況で大変混雑していた。洗い場の数が足りず立って待機している人がいる程である。混雑は場所とか寄りやすさとかのためだろうか。他の施設が少しマイナーな印象なので、普通に体を洗いたいだけならば一強状態なのかもしれない。

道志の湯 正面

道志の湯 館内

道志の湯 脱衣場入口

浴場にあるのは、内風呂と露天風呂。
内風呂には10人以上入浴できる大浴槽と、2人で満員な小浴槽が設置されている。露天風呂には内湯と同じ位の大きさの大浴槽が1つ。全体として空間はあまり広くない。露天風呂出口の右手に謎のバスタブ的なものが放置されていたが、何なのかわからなかった。

内風呂大浴槽は41℃ほどの湯が貯められている。湯口がありジョボジョボと湯が注がれている。少しオーバフローしているが、湯の浴槽内吸入があり、湯口から供給される湯は加温有り、加水有り、循環有り、消毒有り、濾過有りのもののようだ。ただ塩素消毒臭はあまり気にならなかった。

小浴槽の湯は39℃ほど。大浴槽と同質の湯と思われるが、温度が低い分だけややよい使い方をしているかもしれない。浴感から掛け流しでは無いように感じ、やはり加温有り、加水有り、循環有り、消毒有り、濾過有りだろう。

露天風呂大浴槽は内風呂と同じ湯に感じた。これも少しのオーバフローあり。

湯は無味無臭、無色透明であり、ほぼ特徴が無かった。湧出量が少ないのでかなりの加水がされていると思う。

浴感はややギシギシした。塩素消毒のせいか。
体の温まりもあまり無い。浴槽の湯も温めなので、よく言えば長く入浴することも可能である。

道志の湯 館内図

ボイラー設備について大変わかりやすい図が掲示されている。施設の熱源とするため、木質バイオマスを利用したバイオマスボイラーを利用しているとのことだ。道志村では林業振興の一環としてここ道志の湯にこれを採用しているらしい。
通常の石油系ボイラーと比べると図では青が冷水、赤がお湯を示していると思われる。全ての浴槽について、ボイラーで加熱した湯を共通に利用し、熱交換器で浴槽ごとの温度調節を行っていると思われる。

温泉の取り入れと消毒処理が書かれていないのが惜しい。

道志の湯 木質バイオマス設備

源泉名は道志の湯一号泉。分析年月日は2017.11.6、湧出量21.8L/分 (動力揚湯)、泉温19.6℃、pH8.4、蒸発残留物 2300mg/kg、溶存物質 (ガス性のものを除く) 2200mg/kg、成分総計 2220mg/kg、泉質はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩冷鉱泉 (低張性弱アルカリ性冷鉱泉)。

陽イオンは、
カルシウムイオン (Ca) 423.8mg/kg 21.15mval 66.3mval%、
ナトリウムイオン (Na) 223.9mg/kg 9.74mval 30.54mval%、
カリウムイオン (K) 6.6mg/kg 0.17mval 0.53mval%、以下略、
計666.3mg/kg 31.89mval。

陰イオンは、
硫酸イオン (SO4) 1504.2mg/kg 31.32mval 98.52mval%、
炭酸イオン (CO3) 5.9mg/kg 0.2mval 0.63mval%、
塩素イオン (Cl) 5.5mg/kg 0.16mval 0.5mval%、
炭酸水素イオン (HCO3) 6.0mg/kg 0.10mval 0.31mval%、以下略、
計1521.8mg/kg 31.79mval。

硫酸イオン量が異常に多いが、その後周辺の温泉に行って温泉分析書を見たところ、どうも間違いではないみたいだ。

道志の湯 温泉分析書

道志の湯 温泉分析書別表

道志の湯 温泉の成分等の掲示

参考