曇り 日帰り 1回目
公衆浴場中乃湯に入浴したあと、プリンを食べて休憩し、続けて小滝温泉へやってきた。
土湯温泉と中乃湯については以下の記事に書いた:
2020/1/4 土湯温泉 公衆浴場中乃湯
小滝旅館のある辺りは奥土湯温泉と呼ばれる。といっても土湯からはそれほど離れておらず徒歩でも移動可能。小滝旅館は奥土湯の中でも最も手前にある。この道は通ると必ず人を見かけるので、けっこう繁盛しているんだと思う。
道中、錦滝旅館にも寄ったが、いま前の客が貸切で入浴しているから御免、みたいな感じのことを言われた。
施設
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 外観
宿に入って右奥がフロント。正面方向は宿泊の部屋に繋がると思われる。温泉は右手側の廊下に入って少し歩く。
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 廊下
廊下の突き当たりに大浴場への入口。男女別になっている。
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 脱衣場入口
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 脱衣場 廊下向き
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 脱衣場 浴室向き
浴室には内風呂と露天風呂が1つずつ。
内風呂の浴槽は5人サイズの長方形。中央部の壁に湯口が取り付けられている。浴槽内の壁面からは熱湯が注入されている。
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 内湯
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 内湯入口側
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 内湯入浴中
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 内湯湯口側面
細かいが、湯口の中を除くと細いホースが3本入っていることが確認できた。3つの経路を合わせているのだろう。
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 内湯湯口正面
内風呂の端に木の橋が架けられており、渡った先の扉を開けると露天風呂に出られる。男湯の露天風呂は「澤の湯」という名前が付けられている。4〜5人サイズの岩風呂である。
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 露天風呂 澤の湯
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 露天風呂
湯口は細いものが2本あり、源泉らしき湯が常時注がれていた。
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 露天風呂 湯口奥側
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 露天風呂 湯口手前側
オーバーフローは無いが、それはサイフォンを使っているからである。サイフォンの原理を利用し、浴槽内部か静かに湯が排出されていた。
露天風呂は外側から見るとこんな感じ。手前側はもちろん男湯。
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 露天風呂 湯口手前側
温泉の利用方法と浴感
内湯は掛け流し源泉と循環の併用で、浴槽内で混合していると思われる。
循環湯は加温有り、加水無し、循環有り、消毒有りでの利用。
露天風呂は源泉のみ利用。加温無し、加水無し、循環無し、消毒無しの素晴らしい使い方。
湯の見た目は無色、透明。湯の底ははっきりと見えた。湯口からはたまに苔の破片が出てきた。悪い意味ではなく、源泉から直接湯を引いている証拠と見ていいのだろうか?
飲んでみても味は無い。匂いも無いが、生苔の匂いがした。あるいは低山の沢の匂い。
肌触りについても特徴は感じなかった。
内風呂は換気が良くなく、暑くてあまり入れない。
露天風呂は暗くなりゆく空を見ながらゆったりと入れてよかった。静かな空間に湯の音だけが響いているのがよい。
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 お風呂のご案内
源泉の成分
源泉名は「土湯温泉」(2号泉、15号泉、16号泉、17号泉の混合泉。分析年月日は2013.10.25。湧出量は1130L/分 (造湯量)、pH 7.5、泉温62.2℃、溶存物質 (ガス性のものを除く) 436.2mg/kg、成分総計 436.2mg/kg、泉質名は単純温泉 (低張性弱アルカリ性高温泉)。
成分は以下の通り:
陽イオンは、
ナトリウムイオン (Na) 74.4mg/kg 3.24mval/kg 79.80mval%、
カルシウムイオン (Ca) 9.2mg/kg 0.46mval/kg 11.33mval%、
カリウムイオン (K) 7.6mg/kg 0.19mval/kg 4.68mval%、
アンモニウムイオン (NH4) 2.2mg/kg 0.12mval/kg 2.96mval%、
マグネシウムイオン (Mg) 0.6mg/kg 0.05mval/kg 1.23mval%、
以下略、
計 94.0mg/kg 4.06mval/kg。
陰イオンは、
硫酸イオン (SO4) 89.6mg/kg 1.87mval/kg 44.84mval%、
塩素イオン (Cl) 51.3mg/kg 1.45mval/kg 34.77mval%、
炭酸水素イオン (HCO3) 44.2mg/kg 0.72mval/kg 17.27mval%、
フッ化物イオン (F) 2.2mg/kg 0.12mval/kg 2.88mval%、
以下略、
計 187.7mg/kg 4.17mval/kg。
遊離成分で非解離成分は、
メタけい酸 (H2SiO3) 128.5mg/kg 1.65mmol/kg、
メタほう酸 (HBO2) 15.7mg/kg 0.36mmol/kg、
メタ亜砒酸 (HAsO2) 0.7mg/kg 0.01mmol/kg、
計 144.9mg/kg 2.02mmol/kg。
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 温泉分析書
造湯量とある通り、少なくとも2号泉は造成泉である。15号、16号、17号泉についてははっきりと書かれた資料が無いが立地的に造成泉と思うのがよさそうだ。それらは休場と陣場から引いてきている。分析表の通り、湯遊つちゆ温泉協同組合が源泉の維持・管理を行っている。詳しくは中乃湯の記事に書いた。
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 温泉分析書別表
土湯温泉からの途中にあるこのタンクは、混合泉の中継糟だったようだ。
↑ 写真: 奥土湯温泉 小滝旅館 源泉中継糟