宿泊, 1回目, 晴れ, 2020年度中37湯目

ふくろうの湯に入浴した後は、JR和歌山駅から数分の表通り沿いにある温泉大浴場付きホテル「天然温泉 紀州の湯 ドーミーインPREMIUM和歌山」に宿泊した。ご存知、共立メンテナンスが全国に展開して経営するドーミーインのホテルだ。全くの計画無しに和歌山に来たものの、せっかくなので温泉のあるホテルに泊まろうと思い選択。

実のところ、ここの温泉「龍門山温泉」はドーミーインで湧いているものではなく、紀の川市からタンクローリーで運んできたもの。しかし、その龍門山温泉の旅館は2013年に廃業してしまっているので、今ではこうして運んできたものしか入浴できない (たぶん)。ドーミーイン以外では和歌浦の「和歌の浦温泉 萬波」でも龍門山温泉を使っている。

施設・温泉概要

所在地: 和歌山県和歌山市美園町3-36
Web: 天然温泉 紀州の湯 ドーミーインPREMIUM和歌山
日帰り入浴: 不可
宿泊: 可 6,800円〜

源泉名: 龍門山温泉
湧出地: 和歌山県紀の川市荒見641番地の5
湧出量: 270 ℓ/分 (掘削800m・動力揚湯)
泉温: 25.1 ℃
pH: 7.6
成分総計: 317.8 mg/kg
泉質: アルカリ性単純温泉
旧泉質名: 単純温泉

温泉の利用方法: 運び湯

加温 加水 循環 消毒

天然温泉 紀州の湯 ドーミーインPREMIUM和歌山の館内

ふくろうの湯からJR和歌山駅方向に戻り、市内を東西に延びるやけに広い道路「けやき通り」を歩いていると「天然温泉 紀州の湯」の看板。ここがドーミーイン和歌山で容易に見つけられた。

ドーミーイン紀州の湯 入口
⬑ 建物は素朴なもの

ドーミーイン紀州の湯 廊下
⬑ 館内・部屋は省略。普通に広くて清潔なので満足

ドーミーイン紀州の湯 案内
⬑ 温泉大浴場は2F 夜通し入浴可能

ドーミーイン紀州の湯 浴場入口
⬑ エレベーターを降りてすぐ浴場

ドーミーイン紀州の湯 脱衣場入口
⬑ 見えていないが、脱衣場の入口には共有の休憩スペース有り

ドーミーイン紀州の湯 女湯入口
⬑ 女湯はセキュリティロックがかかり暗証番号が必要

ドーミーイン紀州の湯 脱衣場
⬑ 脱衣場には水呑場もあって便利

温泉浴槽と浴感

浴室には2つの内湯があり、両方とも同じ湯を使用。薄暗い部屋を行灯で照しなかなかお洒落である。

ドーミーイン紀州の湯 浴室
⬑ 手前、奥の2つの浴槽があり敷居で分けられている

ドーミーイン紀州の湯 浴槽
⬑ 手前側は6人サイズの浴槽

ドーミーイン紀州の湯 湯口
⬑ 石の裏から温泉の流れ出す湯口

ドーミーイン紀州の湯 湯口の石
⬑ 日高川の自然石 堆積岩のようだが観察し忘れた

ドーミーイン紀州の湯 浴槽
⬑ 手前側浴槽から奥の浴槽を見る

ドーミーイン紀州の湯 浴槽
⬑ 碁石のような石を敷いた浴槽

ドーミーイン紀州の湯 湯口
⬑ 日高川の石の陰に湯口

湯は無色透明で浴槽の底は翳りなくはっきりと見えた。少し飲んでみると独特の味覚があって、鉱物油を限界まで薄めたような、鉱石を舐めたような印象の苦味。匂いも同様のイメージで、単なる塩素消毒とは異なる匂いがごく微かにあった。

ドーミーイン紀州の湯 湯
⬑ 無色透明の湯

かつての龍門山温泉について、ニフティ温泉の口コミを見ると、化石海水系の黄褐色と塩味があったらしい。大きな方向性はそれほど違わない気もするが随分と印象が異なるのは、源泉が変わったのか、あるいは濾過のせいなのだろうか、わからなかった。

ドーミーイン紀州の湯 洗い場
⬑ 浴室奥から入口方向 右手に浴槽

ドーミーイン紀州の湯 水風呂
⬑ 水風呂は非温泉

温泉の成分

温泉分析書は脱衣場に掲示。

ドーミーイン紀州の湯 温泉分析書
⬑ 温泉分析書

ドーミーイン紀州の湯 温泉分析書拡大
⬑ 温泉分析書の成分表にアップ

以下は自前のプログラムに分析書のデータを入力して、自動計算したもの。本物の分析書とは計算精度等の理由によりやや値が異なる場合があるかもしれない。

源泉名: 龍門山温泉
湧出地: 和歌山県紀の川市荒見641番地の5
分析年月日: 令和1年9月2日

湧出量 270 L/分 (動力揚湯)
pH 7.6
泉温: 25.1 ℃ (調査時における気温30.2℃)
泉質 単純温泉 (低張性・弱アルカリ性・低温泉)
溶存物質合計 (ガス性のものを除く) 317.8 mg/kg
成分総計 317.8 mg/kg

温泉の成分は以下の通り:

(1) 陽イオン
成分ミリグラム [mg/kg]ミリバル [mval/kg]ミリバル% [mval%]
ナトリウムイオン (Na+)100.004.3597.10
カリウムイオン (K+)0.700.020.45
アンモニウムイオン (NH4+)0.700.040.89
カルシウムイオン (Ca2+)1.500.071.56
陽イオン計1034.48100.00
(2) 陰イオン
成分ミリグラム [mg/kg]ミリバル [mval/kg]ミリバル% [mval%]
フッ素イオン (F-)16.200.8519.45
塩素イオン (Cl-)6.300.184.12
硫酸イオン (SO42-)14.800.317.09
炭酸水素イオン (HCO3-)75.401.2428.38
炭酸イオン (CO32-)53.801.7940.96
陰イオン計1664.37100.00
(3) 遊離成分
非解離成分:
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
メタケイ酸 (H2SiO3)47.700.61
メタホウ酸 (HBO2)0.700.02
非解離成分計48.400.63
溶存ガス成分:
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
遊離二酸化炭素 (CO2)0.000.00
溶存ガス成分計0.000.00
(4) その他の微量成分
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
総砒素 (As)0.001未満--
総水銀 (Hg)0.0005未満--
銅イオン (Cu)0.05未満--
鉛イオン (Pb)0.05未満--
カドミウムイオン (Cd)0.05未満--
微量成分計0.000.00

下記にも掲載しました。
龍門山温泉 - 湯花草子

成分はごく薄く、泉温がわずか0.1℃のところで超ギリギリの温泉判定。陽イオンはナトリウムイオン、陰イオンは炭酸イオン、炭酸水素イオンが多い。フッ素イオンが16mg/kgとやけに多い。