日帰り, 晴れ後曇り
焼山中腹にある野湯、硫黄取りの湯を目指して秋田県にやってきた。朝一番で玉川温泉に着き、それから焼山を登って後生掛方面に降りた。降りる登山道の途中、硫黄取りの湯で入浴した。
玉川温泉と焼山の景色があまりに素晴らしく写真を撮り過ぎてしまったので、硫黄取りの湯は次の記事に見送り、登山の風景を駆け足で掲載する。ただの日記です。
玉川キャンプ場〜生保内 (おぼない)
昨日は 戸波鉱泉 に入浴後、夜を過すために玉川ダムキャンプ場に向かった。ところが着いてみると封鎖。熊が出没するからだという。こんな山奥で寝床を失い絶望感を禁じえなかった。
地元青森までもう 100km 強のようなのでこのまま実家に突撃することも案じたが、しばらく悩んだ末、結局、田沢湖付近まで下山することとした。適当に下ると生保内地区で寝るに都合の良い場所を発見し寝袋を敷いて眠りに落ちた。道路脇にあって安心だし、綺麗かつ静かで想定外に快適であった。
玉川温泉 自然研究路
翌朝は夜明けと共に玉川温泉へ。玉川温泉の近くにバイクを停め、自然研究路を経由して焼山の登山道に入った。
↑ 玉川温泉の自然研究路を通って焼山登山口へ
↑ 玉川温泉の神々しい風景
↑ 酸性、湧出量ともに日本最強クラス源泉の大噴
↑ 尊い
↑ 地獄の中に佇むあの建物はたまに夢に出てくる
↑ 噴気
↑ 噴気塔も当然のようにある
↑ 至近距離に噴気
↑ 大量の蒸気を噴き上げる
↑ かっこいい
↑ 至るところから白煙を上げる
↑ 向こうから来た
↑ 焼山登山道の入口
写真を撮影しまくりながら歩いているうちに、自然研究路奥の登山道入口に到着。素晴らしい景色だった。1ヶ月くらいずっと観察していたい。
玉川温泉〜焼山頂上
だが先を急ぐ身? なのでサクサクと登山道を登る。道はところどころ濡れた笹に覆われているが、前日の旧神瀧温泉と比べれば、棘も木も崖も濃厚蜘蛛の巣も無く、こんな若い笹の抵抗など児戯に等しい。
↑ 標高 1336m まで高低差 600m 弱
↑ 玉川温泉の旅館が小さく見える (右端の噴気のうしろ)
↑ 玉川温泉が爆裂火口内にあることがよくわかる
ここを過ぎた頃に玉川温泉とはお別れとなり、森の中を進むコースになった。
↑ ここで清い水場があった
↑ ブナ森を進む
↑ 標柱の左奥あたりが叫沢へ降りる道
実は今回わざわざ玉川温泉から登ってきたのは、叫沢を見たかったからである。登山道の北を沢が併走していて、その標高 850m 付近に叫沢という強烈な名前の噴気地帯がある。温泉も湧いていて、入湯したという記録もインターネットでは見つけられた。
登山道から叫沢へ行くには、途中の叫沢分岐から降りていく。
しかし今回は見送ることにした。入口からして既に消えかかっており過酷な藪漕ぎになることが予想できたし、雲が南東から近付いてきているのが見えていて、これより先に登り切りたいからだ。残念だが、一番の目的地は硫黄取りの湯なので、叫沢はまた今度、もっと草木の育っていない時期に再挑戦したい。
↑ 頂上に近付くにつれ笹が深くなり足元が見えなくなった
笹を体当たりで掻き分けて登っていると、またアブのやつが追いかけて来るようになった。笹で速度が上がらず追手を巻くことができない。雲にも追い付かれて見通しも悪くなるしストレスだった。
↑ 山頂北西のこれも火口跡
↑ 山頂付近の景色
↑ 山頂で完全に雲に飲まれた
↑ 名残峠と湯沼
ついに焼山を登り切ると湯沼が見えた。湯の湧き上がる音がどこからともなく聴こえてくる。
焼山頂上の火口湖群
はじめに湯沼と呼ばれる一番大きい火口湖が現われた。左側から奥側にかけて、湯が湧きボコボコとしている様子が肉眼では見えた。一度でいいから入浴してみたいものだ。簡単に降りられそうなのがまた悔しい。今日は誰もいないが……が、我慢しておこう…。ガスマスクも無いし。
↑ 厳めしき湯沼
↑ 美しき湯沼
↑ 手前側は冷たそうな湯沼
↑ 毒ガス注意
↑ 名残峠から避難小屋に行く途中、右手に見える沼 名前は不明
↑ これも名前がわからない
↑ 少し白い空沼
ほどなくして避難所。突然噴火したらここに逃げ込もう。
↑ 避難所
↑ 避難所の中もせっかくだから覗いておく
避難所を過ぎたら北の登山道に進む。
↑ 空沼 (奥) と1997年の噴火口 (手前)
↑ 空沼東側は狭い道を通る 通ってみると意外と広い
↑ 空沼
空沼を眺めながら昼食を食べた。湯沼ほど真っ白では無く、薄い青緑色を呈してやや透き通っていた。静まり返った空間だ。時々、どこかの壁から崩れた岩が、沼に落ちて大きな水の音を上げていた。
↑ 湯沼裏側 すぐ足元にあるようにも見えるが、まだかなりの高低差がある
最後に湯沼を北東側から眺めて焼山頂上部を去る。あー、飲んでみたい。
このあとは後生掛に向かって山を下り、登山道の途中にある硫黄取りの湯に浸かるつもりだ。登山者は私の他に誰も見かけなかった。