金曜日 曇り 日帰り入浴

長野県上高井郡、七味温泉の温泉宿。須坂市から長野県道66号を志賀高原側に進んでどんどん山の中に入っていき、蕨温泉、山田温泉、五色温泉を過ぎたあたりにて松川に沿う町道に入る。さらに500m程走ると松川を渡る橋があり、そこらが七味温泉である。全行程で舗装されてるし、道幅もちゃんと確保されていて不安なところは無い。
七味温泉というのは昔ちょろちょろと流れる7つの源泉があったからそう呼ぶらしい。今は掘削による2つの源泉けあるとのこと。(お風呂 | 【公式】七味温泉 紅葉館より)
七味温泉には紅葉館、渓山亭、山王荘の三軒の温泉施設があり、紅葉館は位置的に真ん中にある。ここを選んだのは日帰り入浴の営業時間が一番短いから。他の2軒は今度来た時に入りたい。

紅葉館は綺麗で現代的な建物である。

紅葉館 外観

紅葉館 入口

日帰り入浴も受け付けている。

日帰り入浴案内

人の気配が無い。フロントで従業員を呼ぶ。

紅葉館 フロント

フロントから廊下をまっすぐ、一番奥まで進むと左右にのれんが現れる。右が男湯、左が女湯。

浴室入口

紅葉館には緑色の湯と炭色の湯がある。
緑色の湯は新七味温泉という名の源泉のようだ。炭色の湯は新七味温泉と、別の源泉をミックスしたものである、と女将が言っていた、と書いてあるブログを見た。(七味温泉 紅葉館〈緑の美湯&炭色の黒湯、2つの温泉。子狸も出るぞ!笑〉@長野県上高井郡高山村牧 | いろいろアウトな日々)

宿の前の看板には「炭色の湯 緑色の湯 乳白色の湯」と書かれているが、このうち乳白色の湯については、新七味温泉が条件により乳白色になるということのようだ。

温泉分析書は新七味温泉のものだけが掲示されている。ミックスすると炭色になる不思議な源泉の成分分析表は掲示されていない。

新七味温泉はpH6.6 、温度65.4度の中性高温泉。湧出量の記載は無し。成分総計 1.617 mg/kg 。カルシウム (Ca) 281mg/kg 70mval%、ナトリウム (Na) 87.8mg/kg 19.3mval%、硫化水素イオン (HS) 17.1mg/kg、硫酸イオン (SO4) 65.64mg/kg、遊離二酸化炭素二酸化炭素 (CO2) 91.7mg/kg、遊離硫化水素 (H2S) 52.3mg/kg で、含硫黄-カルシウム-硫酸塩泉 (硫化水素型) ということになる。メタケイ酸 71.6 mg/kg、メタホウ酸 49.9mg/kg も比較的多く含まれる。旧泉質名は、硫黄泉 / 硫化水素泉 / 石膏硫化水素泉。

湯の雰囲気は栃木県塩原温泉大出館の五色の湯や、宮城県鳴子温泉西多賀の湯の西多賀の湯1号に近い。五色の湯は含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 (硫化水素型)、西多賀の湯1号は含硫黄-ナトリウム-炭酸水素・硫酸塩泉 (硫化水素型) であるから、硫黄分か硫化水素による特徴と考えられる。

後でも触れるが、炭色の湯も、大出館の墨の湯と似ている。墨の湯は含硫黄-ナトリウム-塩化物
・炭酸水素塩泉 (硫化水素型) で、同じタイプの湯である。

温泉分析書

温泉分析書 別表

内湯は白緑色の湯の浴槽が1つある。温度は44度位で熱め。いきなり入ると熱いので身体を馴らしながら湯に浸かった。一度入ってしまえばビリビリくることも無く快適な湯だ。

内湯 入浴中目線

湯口から出る湯は無色透明。浴槽の湯はかろうじて底が見える程度に透明な緑白濁色だった。

飲むと毒っぽい味がする。大出館の五色の湯よりは飲みやすい感がある。酸味、苦味が主でそこまで苦しくない。舌の根元側で味わうとより強い味覚があった。

匂いも例の刺激臭。嗅ぐだけで毒の味がした気がする。

内湯

湯の底に白い湯の華の堆積があった。波を立てると白い煙の様に湯を濁らせた。
他に、内湯浴槽の隅の方には湯膜ができていた。

内湯の湯膜

露天風呂には2つの浴槽があった。
まず大きな岩風呂があり、これは内湯と同じ新七味温泉が利用されている。

こちらも温度は結構熱くなっていた。

露天風呂 全景

露天風呂 湯口

もう1つ、1人しか入れない小さな浴槽があり、炭色の湯と名付けられている。少しぬるいので入りやすい。

炭色の湯

炭の湯の名の通り、炭のような色をしている。大出館の湯は少し灰色っぽくちょうど書道の墨のような色をしていたが、紅葉館ではもっと黒っぽかった。

湯には黒い湯の華が大量に舞っており、体に擦り付けると煤のように黒くなった。見通しは30cmほどでなかなかの黒さ。

2本の源泉が注がれていて、いずれも流れているときは無色透明。これが黒くなるので不思議だ。味は一方がさっぱりとした酸味。もう一方はほぼ無味。

2つの源泉

炭色の湯 湯口