花山温泉 薬師の湯 (2020/8/22)

日帰り, 1回目, 晴れ, 2020年度中38湯目

関西最強クラスの強烈な泉質を誇る和歌山市東部の「花山温泉 薬師の湯」で日帰り入浴した。知名度以上のインパクト強い温泉だった。

前日は紀州の湯 ドーミーインPREMIUM和歌山で宿泊。市内を少し散策したあと、和歌山駅からわかやま電鉄貴志川線で日前宮駅まで移動し、そこから1kmほど、暑い日射しの下を歩くと花山温泉に到着した。


⬑ 外装・内装ともにキュートな「たま電車」

日前宮駅で降りると、ほどよい住宅地。道路沿いに建つ日進中学校から聞こえてくるトランペットの音が真夏の休日を演出していた。日前宮は時間の都合上、今回は見送り。


⬑ 花山温泉手前に貝塚


⬑ 緑色の看板


⬑ 到着 浴場があるのは裏の建物

施設・温泉概要

所在地: 和歌山県和歌山市鳴神574番地
Web: 天然温泉 薬師の湯 花山温泉
日帰り入浴: 可 8:00-23:00
宿泊: 可 9,000円〜

源泉名: 花山温泉
湧出地: 和歌山県和歌山市鳴神555
湧出量: 128 ℓ/分 (掘削501m・自噴)
泉温: 25.2 ℃
pH: 6.3
成分総計: 19747 mg/kg
泉質: 含二酸化炭素・鉄-カルシウム・マグネシウム-塩化物温泉 (高張性・中性・低温泉)
旧泉質名: 食塩泉 / 含炭酸食塩泉

一番良い浴槽の温泉利用方法:

加温 加水 循環 消毒

温泉

花山温泉の起源について、公式ページの解説によると、平安時代の西暦803年より花山 (温泉東側にある標高77mの山) に妙鶴山興徳寺があり、当時から花山薬師温泉が自噴し知られていたという。紀伊続風土記には妙鶴山興徳寺 (文保年間 (1317年頃) 〜天正年間 (1573年頃)) の記述はあるが、平安時代のソースは不明。温泉はいつからか湧出が止まっていたが、1965年 (昭和40年) より地下501mまでボーリングを行い温泉掘削に成功したとのこと。


⬑ 期待感のある玄関


⬑ 館内は素朴


⬑ 階段を登って左手にタッチ式券売機

発券した入浴券をフロントで渡し、浴場までは廊下を歩いていく。途中、スケールが展示されていた。


⬑ スケールが展示されたショーケース


⬑ えげつない湯膜と球状の析出物


⬑ 掘削自噴の写真がスタイリッシュ


⬑ 炭酸泉をアピールする花山温泉の紹介記事


⬑ 郡司先生の近畿の温泉ランキング1位の温泉


⬑ 飮泉所 帰り際に寄る


⬑ 飮用可


⬑ 脱衣場入口

温泉浴槽と浴感

温泉を使った浴槽は4つで、内湯に3つ、露天風呂に1つ。内湯の1つが源泉浴槽で加温無し、加水無し、循環無し、消毒無しの使用。それ以外の浴槽は加温のみ有りで、内湯大浴槽41.5℃、内湯低温浴槽38℃、露天風呂40℃に調整されている。低温風呂の浴槽は1〜2人サイズで小さいのに人気が高く競争が激しい。

源泉浴槽は6〜8人が入浴できる大きさの浴槽で、温度は32℃。透明なパイプが浴室外から壁を貫いて浴槽上へ通っており、管内を温泉が流れているのが見える。パイプは浴槽底に降りたあと、湯の中、壁の下を這うように配置。途中にいくつかの小さい穴が開けられていて冷たい源泉が投入されている。特に1つ目、2つ目の穴からはボコボコと激しく炭酸ガスが上がっている。ガスは大半が序盤で消費されるらしく、後続の穴は気泡は出ず湯だけが供給される。

パイプの飛び出す浴槽角には肌色、茶色の巨大な析出物が形成されていた。かつてはパイプを使わず普通に湯口から流していたのかもしれない。浴槽縁も析出物ですっかり覆われ、肌色で丸みを帯びている。水面に沿って庇状の析出もあって、寄り掛かると背中に刺さる。

ガスがボコボコと上がっている場所に張り付いて入浴していると、炭酸ガスの爽快な香りを感じるだけでなく、濃い炭酸ガスで息苦しくさえある。鉄系の金気臭が漂い、浸かっているだけではっきりと香る。

湯の色は、茶色と肌色の中間色あたり、またはくすんだ橙色で不透明。湯をよく見ると、茶色の細かい無数の酸化物粒子が浮遊しており、それによって色付いているようだ。見通しは5cm程しかなく、非常に濃い。露天風呂の加温浴槽では湯膜が浮かんでおり、一度消えてもすぐ復活し、生成が早かった。湯膜の感じは山形県飯豊山の泡の湯温泉三好荘を思い出した。

飲んでみると、非常に飲みにくく表情が歪む。味は複雑。まず強力なビリビリする鹹味が先行し、一瞬スッと炭酸味があった後、続いてきつい苦味と金気が同時に湧き上がり、その後は純粋な苦味だけが残っていつまでも口の中に留まり続ける。帰り際、飮泉所でも汲んで500ccペットボトルに詰めたが、飮み切るまで2〜3時間かかった。

肌の感触は多少のツルツル感がある。炭酸泉の放熱感も感じられた。

花山薬師如来

入浴後、花山温泉薬師にも寄った。温泉の敷地内を裏手に進むと阪和自動車道の下を潜る歩行者用の小さいトンネルがあり、その先に境内になる。


⬑ 花山温泉館内の掲示


⬑ 花山薬師のお堂

温泉の成分

温泉分析書は脱衣場の外の壁に掲示されていた。


⬑ 温泉分析書

以下は自前のプログラムに分析書のデータを入力して、自動計算したもの。本物の分析書とは計算精度等の理由によりやや値が異なる場合があるかもしれない。

源泉名: 花山温泉
湧出地: 和歌山県和歌山市鳴神555
分析年月日: 平成29年11月28日

湧出量 128 L/min (掘削自噴)
pH 6.3
泉温: 25.2 ℃ (気温: 11℃)
泉質 含二酸化炭素・含鉄-カルシウム・マグネシウム-塩化物温泉 (高張性・中性・低温泉)
溶存物質合計 (ガス性のものを除く) 17115.76 mg/kg
成分総計 19746.76 mg/kg

温泉の成分は以下の通り:

(1) 陽イオン
成分ミリグラム [mg/kg]ミリバル [mval/kg]ミリバル% [mval%]
水素イオン (H+)0.1未満----
リチウムイオン (Li+)0.1未満----
ナトリウムイオン (Na+)1135.049.3719.66
カリウムイオン (K+)20.300.520.21
アンモニウムイオン (NH4+)1.500.080.03
マグネシウムイオン (Mg2+)1191.098.0039.03
カルシウムイオン (Ca2+)2022.0100.9040.19
ストロンチウムイオン (Sr2+)15.700.360.14
アルミニウムイオン (Al3+)0.1未満----
マンガンイオン (Mn2+)0.700.030.01
鉄 (II) イオン (Fe2+)50.001.790.71
鉄 (III) イオン (Fe3+)0.1未満----
陽イオン計4437251100.00
(2) 陰イオン
成分ミリグラム [mg/kg]ミリバル [mval/kg]ミリバル% [mval%]
フッ素イオン (F-)0.1未満----
塩素イオン (Cl-)8810.0248.5082.03
臭素イオン (Br-)22.600.280.09
ヨウ化物イオン (I-)0.1未満----
硫化水素イオン (HS-)0.1未満----
チオ硫酸イオン (S2O32-)0.1未満----
硫酸イオン (SO42-)3.100.060.02
亜硝酸イオン (HNO2-)0.1未満----
硝酸イオン (NO3-)0.200.000.00
リン酸水素イオン (HPO42-)0.200.000.00
炭酸水素イオン (HCO3-)3301.054.1017.86
炭酸イオン (CO32-)0.1未満----
陰イオン計12137303100.00
(3) 遊離成分
非解離成分:
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
メタ亜砒酸 (HAsO2)0.1未満--
メタケイ酸 (H2SiO3)153.301.96
メタホウ酸 (HBO2)388.608.87
非解離成分計541.9010.83
溶存ガス成分:
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
遊離二酸化炭素 (CO2)2631.059.78
遊離硫化水素 (H2S)0.1未満--
溶存ガス成分計2631.059.78
(4) その他の微量成分
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
総砒素 (As)0.0030.00
総水銀 (Hg)0.00005 mg未満--
銅イオン (Cu)0.03 mg未満--
クロム (Cr)0.01 mg未満--
鉛イオン (Pb)0.01 mg未満--
カドミウムイオン (Cd)0.01 mg未満--
亜鉛イオン (Zn)0.030.00
微量成分計0.060.00

下記にも掲載しました。
花山温泉 - 湯花草子

成分総計は約 20,000 mg/kg で、陽イオンはカルシウム、マグネシウムのアルカリ土類金属イオンが多く単なる古代海水とは異なる成分。有馬温泉や入之波温泉とも異なっていて、何だこれ。火山性熱水の成分を混合しているという研究結果も見つかったが、紀北で火山? という点がよくわからない。他、遊離二酸化炭素 2631mg/kg、鉄 (II) イオン 50.0 mg/kg、メタけい酸 153.3 mg/kg、メタほう酸 388.6 mg/kg あたりがかなり強烈な数字を叩き出している。

飮泉所でペットボトルに温泉を汲み、少しずつ飮みながら経過を見てみた。汲んだ直後は透明だったが、見る見る内に黄色く濁り不透明になった。


⬑ 10分後


⬑ 3時間後

もっと小まめに撮影すればよかったが、田井ノ瀬駅に歩く間に集中豪雨に襲われたりして、余裕が無かった。東北出身なこともあり南海や九州の雨の強さには毎度ビビる。