宮前平源泉 湯けむりの庄 (2020/7/4)

日帰り, 1回目, 晴れ, 2020年度中11湯目

東急田園都市線の溝の口駅から3駅の宮前平駅近くにある大型スーパー銭湯「宮前平源泉 湯けむりの庄」に入浴した。加温消毒ながらも黒湯を掛け流しで使用しており、真っ黒な濃い湯とヌルヌルの感触がインパクトがあり楽しめた。

施設・温泉概要

住所: 神奈川県川崎市宮前区宮前平2-13-3
Web:

日帰り入浴: 可 平日10:00-22:00, 土日祝9:00-22:00 (受付21:00)
宿泊: 不可

源泉名: 川崎温泉 (源泉名: セントラル宮前平温泉)
湧出地: 神奈川県川崎市宮前区宮前平2-13-3
湧出量: 375 L/分 (掘削1500m・動力揚湯)
泉温: 36.1 ℃
pH: 8.0
成分総計: 31540 g/kg
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩温泉 (低張性・弱アルカリ性・温泉)

温泉の利用方法: 加温有り・加水無し・循環無し・消毒有り

施設

「宮前平源泉 湯けむりの庄」は神奈川県川崎市の大型スーパー銭湯。
東京の五反田に本社を置くセントラル都市開発株式会社が運営する湯けむりシリーズでは、宮前平の他に、綱島の「綱島源泉 湯けむりの庄」、世田谷の「天然温泉 仙川 湯けむりの庄」、横浜市青葉区の「天然温泉 すすき野 湯けむりの里」がある。

「綱島温泉 湯けむりの庄」は綱島駅から徒歩20分くらいのところにあり、2018年の年末に入湯済み。年末だからか若者で混雑していた。温泉は見通し3cm程のすごく濃い黒湯で驚いた。

「仙川 湯けむりの庄」では2014年に入浴している。今度「すすき野 湯けむりの里」にも行ってみたい。

「宮前平源泉 湯けむりの庄」は東急田園都市線の宮前平駅から直線距離で200mほどの位置にあるが、急坂を登るので少し遠く感じる。駅は矢上川が作った谷底にある一方、湯けむりの庄は谷の途中に建っているのだ。駅前には宮前平八幡神社があって、これも駅から20m高いところにある。はじめ神社の境内を抜けて温泉に行こうとしたのだけど、神社の裏手は高いフェンスで囲まれていて通れなかった。一度登った斜面を降りて、駅前から登り直すことになった。


↑ 坂を登っていると、湯けむりの庄の大きな建物が頭上に見える


↑ フロントはさらに上 (左手側で見えない)、浴場は少し下 (右手側)

施設の入口は凝った造りで旅館を思わせる雰囲気。


↑ 旅館っぽい入口 進むと冒頭の写真

館内はフロントでリストバンドを貰い、退場時に料金を払う後払いシステム。リストバンドに付けられたバーコードを使うことで、入浴以外のサービスをキャッシュレスで済ませることができる。湯けむりの庄をはじめ、近年、関東の大型スーパー銭湯では時々見る方式だ。

なお料金は平日1,200円、休日1,400円とかなり高級路線。しかし仲間同士で来ている大学生〜新社会人くらいの若者が多く、少しくらい高くても小綺麗な施設が世の中では求められているのかもしれない。私にとってはボロいくらいの方がむしろ気持ちが盛り上がるのだが…彼らにとってはやはり地元の銭湯みたいなのは友達同士で入りずらいとかあるんだろう。以前訪ねた綱島源泉 湯けむりの庄も同じような客層で繁盛していた。


↑ 館内図 母屋の「屋」右下あたりが入口 1階右端が男湯 2階右端が女湯


↑ ホテルっぽい館内廊下

入館したら長い廊下を抜け、関東最大級なるお休み処の前を通り、一番奥まで行くと男湯の脱衣場に着く。広い。

温泉の利用方法と浴感

温泉を使用した浴槽は内湯の源泉風呂と、露天風呂の大浴槽、源泉岩風呂、つぼ湯×2、親子つぼ湯、炭酸琥珀湯。他にもいくつか浴槽があるが、非温泉の湯が張られていた。


↑ 浴場の図

つぼ湯と大浴槽では加温有り、加水無し、塩素消毒有り、循環有りの湯を使用。浴槽温度はいずれも40〜41℃程だった。普通の1人用つぼ湯が2つある他に、親子つぼ湯といって小さなつぼ湯が連結したものがあった。

露天風呂の源泉岩風呂では加温有り、加水無し、塩素消毒有り、循環無しの湯を使用し、浴槽の温度は40℃くらい。直径3メートルの円形の岩風呂で大きな浴槽に見えるが、水面より下では50cmほどの足場があって外周を囲っており意外と狭い。円形なこともあり、足を伸ばすと衝突してしまうだろう。浴槽の端に石組みの湯口があり、細い流れがサラサラと浴槽に注いでいた。

内湯源泉風呂は記憶に無い。どういうわけか見逃してしまったか。炭酸風呂は入浴したはずだがメモが無い…。

以下は源泉岩風呂の浴感だが、色は黒色で透明度5〜10cm。かなり透明度の低い濃い黒湯だった。夜なので黒以外の色には見えなかった。湯の華は見られず。

湯口から湯を手で汲み飲んでみたが味は感じられず無味であった。匂いは弱い植物系のモール臭。入浴中には掬うと香るくらいだった。

肌触りは常に強いヌルヌルがあり、しばらく浸かっていても手足の感触が失なわれることは無かった。かなりインパクトのあるヌルヌルだ。

湯自体はさっぱりした印象だが、長時間浸かり続けるにはやや暑く感じた。

温泉の成分


↑ 温泉分析書

以下は自前のプログラムに分析書のデータを入力して、自動計算したもの。本物の分析書とは計算精度等の理由によりやや値が異なる場合があるかもしれない。

源泉名: 川崎温泉 (源泉名: セントラル宮前平温泉)
湧出地: 神奈川県川崎市宮前区宮前平二丁目13番3
分析年月日: 平成27年1月26日

湧出量 350 L/分 (動力揚湯)
pH 8.0
泉温: 36.1 ℃ (調査時における気温6.1℃)
泉質 ナトリウム-炭酸水素塩温泉 (低張性・弱アルカリ性・温泉)
溶存物質合計 (ガス性のものを除く) 3063.7 mg/kg
成分総計 3154.3 mg/kg

温泉の成分は以下の通り:

(1) 陽イオン
成分ミリグラム [mg/kg]ミリバル [mval/kg]ミリバル% [mval%]
リチウムイオン (Li+)<0.1< td>----
ナトリウムイオン (Na+)804.4034.9994.14
カリウムイオン (K+)32.900.842.26
アンモニウムイオン (NH4+)15.500.862.31
マグネシウムイオン (Mg2+)1.900.160.43
カルシウムイオン (Ca2+)6.300.310.83
ストロンチウムイオン (Sr2+)<0.1< td>----
アルミニウムイオン (Al3+)<0.1< td>----
マンガンイオン (Mn2+)<0.1< td>----
鉄 (II) イオン (Fe2+)0.400.010.03
鉄 (III) イオン (Fe3+)<0.1< td>----
陽イオン計86137.2100.00
(2) 陰イオン
成分ミリグラム [mg/kg]ミリバル [mval/kg]ミリバル% [mval%]
フッ素イオン (F-)0.400.020.05
塩素イオン (Cl-)251.907.1118.94
臭素イオン (Br-)1.100.010.03
ヨウ化物イオン (I-)<0.1< td>----
硫化水素イオン (HS-)<0.1< td>----
硫化物イオン (S2-)<0.1< td>----
チオ硫酸イオン (S2O32-)<0.1< td>----
硫酸イオン (SO42-)<0.1< td>----
炭酸水素イオン (HCO3-)1826.029.9379.75
炭酸イオン (CO32-)13.800.461.23
陰イオン計209337.5100.00
(3) 遊離成分
非解離成分:
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
メタ亜砒酸 (HAsO2)<0.1< td>--
メタケイ酸 (H2SiO3)102.601.31
メタホウ酸 (HBO2)6.500.15
非解離成分計109.101.46
溶存ガス成分:
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
遊離二酸化炭素 (CO2)90.602.06
遊離硫化水素 (H2S)<0.1< td>--
溶存ガス成分計90.602.06
(4) その他の微量成分
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
総砒素 (As)0.01未満--
総水銀 (Hg)0.0005未満--
銅イオン (Cu)0.01未満--
鉛イオン (Pb)0.01未満--
微量成分計0.000.00

下記にも掲載しました。
川崎温泉 (源泉名: セントラル宮前平温泉) - 湯花草子

成分は重曹泉にあたり、ナトリウムイオンと炭酸水素イオンが主だが、塩化物イオンもそこそこ含まれている。東京都南部から横浜南部の東京湾沿いでは典型的な黒湯温泉だが、塩化物イオンは少なめでヌルヌルの感触を発揮していると思われる。東部では地下100mも掘れば黒湯に当たるのだが、宮前平では随分と西に来て距離があるので1500mまで掘る必要があったのだろう。

メタケイ酸含有量が100mg/kgを超えており、これは同じ地域でも多い方に入るので、美肌の湯を売り文句にするのも頷ける。