藤七温泉 彩雲荘 (2020/7/25)

日帰り, 1回目, 曇り, 2020年度中22湯目

後生掛温泉 を出て、岩手県の藤七 (とうしち) 温泉 彩雲荘にやってきた。

施設・温泉概要

所在地: 岩手県八幡平市松尾寄木北の又
Web: 藤七温泉 彩雲荘
日帰り入浴: 可 8:00-18:00
宿泊: 可

源泉名: 藤七温泉
湧出地: 岩手県八幡平市松尾守木北ノ又国有林1564
湧出量: (自然湧出)
泉温: 87.0 ℃
pH: 3.7
成分総計: 1714 mg/kg
泉質: 単純硫黄温泉 (硫化水素型)

温泉の利用方法: 加温無し、加水有り、循環無し、消毒無し

藤七温泉

藤七温泉は八幡平の頂上に最も近い高所、標高 1370m にある温泉。噴気地帯に面して旅館が建っており、露天風呂では足元からポコポコと熱湯が湧出する。

八幡平の頂上から樹海ラインを1.5km程下ると、ロッジのような建物が現われ、これが藤七温泉 彩雲荘である (冒頭の写真)。入口で入浴料金を払ったあと、靴を履いて浴場へ行くよう指示される。


↑ いざ、温泉へ


↑ 靴は靴箱に入れ、奥を右へ


↑ 突き当たりにインパクトある金勢様

金勢様は北東北の湯治場では稀に見かける。


↑ 温泉湯治の栞

脱衣場入口上部に掲げられた「温泉湯治の栞」には、飮泉して差し支えないこと、噴気孔付近で硫化水素含有ガスを吸入すると良いことが書かれていた。

温泉浴槽と浴感

浴槽は男女別内湯が1つずつ、混浴露天風呂が5つ、女性専用露天風呂が1つ。露天風呂は年々増えているそうだ。女性専用露天風呂には誰もいなそうだった。

露天風呂が足元自噴で、浴槽底のあちこちからポコポコと泡が上がっている。浴槽の水面には数mm〜1mmの泡が漂っており、硫黄、もとい異様な雰囲気だ。全て含めると温泉の自噴量はかなり多く、浴槽には無数の泡が浮いている。

下の方にある浴槽では斜面側から盛んに湯が湧いていた。泡が少量ならば、その上に座ってもあまり熱さを感じないが、多く湧いているところでは近づくだけで熱くなる。最上部の浴槽では多少加水しているものの、ほとんど浸かれないほど熱かった。自噴と空気冷却だけなので、浴槽の湯の温度は、純粋に湧出量と浴槽の広さにより温度が変わるようだ。一部浴槽ではぬるい湯をホースで引き回して温度調節を工夫していた。泡の集まる下は泥が堆積しており、踏むとすごく熱い。

湯の色は灰緑色で濁っており、透明度は10cm程。
飲んでみると弱酸味があるが薄味で硫化水素の刺激的な味などは無かった。匂いは弱硫化水素臭。

温泉の成分

温泉分析書と「温泉の成分・禁忌症・適応症・入浴上の注意」が掲示されていた。


↑ 温泉分析書


↑ 温泉の成分・禁忌症・適応症・入浴上の注意

以下は自前のプログラムに分析書のデータを入力して、自動計算したもの。本物の分析書とは計算精度等の理由によりやや値が異なる場合があるかもしれない。

源泉名: 藤七温泉 (温泉名 藤七温泉)
湧出地: 岩手県八幡平市松尾守木北ノ又国有林1564
分析年月日: 平成28年8月23日

湧出量 0 L/min (自然湧出)
pH 3.7
泉温: 87 ℃ (調査時における気温、気圧: 20.0℃、837 hPa)
泉質 単純硫黄温泉 (硫化水素型) (低張性・弱酸性・高温泉)
溶存物質合計 (ガス性のものを除く) 120.32 mg/kg
成分総計 177.42 mg/kg

温泉の成分は以下の通り:

(1) 陽イオン
成分ミリグラム [mg/kg]ミリバル [mval/kg]ミリバル% [mval%]
水素イオン (H+)0.200.2014.93
ナトリウムイオン (Na+)1.800.085.97
カリウムイオン (K+)0.300.010.75
アンモニウムイオン (NH4+)0.600.032.24
マグネシウムイオン (Mg2+)2.900.2417.91
カルシウムイオン (Ca2+)8.500.4231.34
アルミニウムイオン (Al3+)1.900.2115.67
マンガンイオン (Mn2+)0.200.010.75
鉄 (II) イオン (Fe2+)2.900.107.46
鉄 (III) イオン (Fe3+)0.700.042.99
陽イオン計20.01.34100.00
(2) 陰イオン
成分ミリグラム [mg/kg]ミリバル [mval/kg]ミリバル% [mval%]
フッ素イオン (F-)<0.1< td>----
塩素イオン (Cl-)1.700.053.97
硫化水素イオン (HS-)<0.1< td>----
チオ硫酸イオン (S2O32-)0.100.000.00
硫酸水素イオン (HSO4-)0.400.000.00
硫酸イオン (SO42-)58.101.2196.03
亜硝酸イオン (HNO2-)<0.1< td>----
硝酸イオン (NO3-)<0.1< td>----
リン酸二水素イオン (H2PO4-)<0.1< td>----
炭酸水素イオン (HCO3-)<0.1< td>----
炭酸イオン (CO32-)<0.1< td>----
陰イオン計60.31.26100.00
(3) 遊離成分
非解離成分:
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
メタ亜砒酸 (HAsO2)<0.1--< td>--
メタケイ酸 (H2SiO3)40.000.51
メタホウ酸 (HBO2)<0.1< td>--
非解離成分計40.000.51
溶存ガス成分:
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
遊離二酸化炭素 (CO2)52.901.20
遊離硫化水素 (H2S)4.200.12
溶存ガス成分計57.101.32
(4) その他の微量成分
成分ミリグラム [mg/kg]ミリモル [mmol/kg]
総砒素 (As)<0.01< td>--
総水銀 (Hg)0.00320.00
クロム (Cr)<0.05< td>--
鉛イオン (Pb)<0.01< td>--
カドミウムイオン (Cd)<0.003< td>--
亜鉛イオン (Zn)0.02--
微量成分計0.020.00

下記にも掲載しました。
藤七温泉 - 湯花草子

温泉の成分は、総計 200mg/kg 未満でかなり少なめ。陽イオンは際立って多い成分が無く複雑な組成。陰イオンは硫酸イオンが支配的。