後生掛温泉 (2020/7/25)
日帰り, 2回目, 曇り, 2020年度中21湯目
硫黄取りの湯 を後にして、後生掛温泉に下ってきた。やはりこの辺りに来たら後生掛温泉は外せない。今回はバス時間があるのでゆっくりできなかったが、入浴できて良かった。
施設・温泉概要
所在地: 秋田県鹿角市八幡平熊沢国有林内
Web: 後生掛温泉
日帰り入浴: 可 8:00-17:00
宿泊: 可
源泉名: オナメ・モトメの湯
湧出地: 秋田県鹿角市八幡平熊沢国有林内34林班口小班
湧出量: 150 L/分 (自然湧出)
泉温: 88.4 ℃
pH: 3.2
成分総計: 571.0 mg/kg
泉質: 単純硫黄泉 (硫化水素型)
温泉の利用方法: 加温無し、加水有り、循環無し、消毒無し
過去の訪問: 2016/5/5
焼山下山
硫黄取りの湯から下り始めると、少しの間は湯ノ沢に沿って歩いていたが、ほどなくして登山道は東側斜面を登り、以降は森の中の道になった。
↑ 硫黄取りの湯 また来よう
↑ 酸性の湯が流れる湯ノ沢
↑ 湯ノ沢を振り返る
↑ 斜面を登り、噴気帯を振り返る
約30分歩くと左側に建物が出現した。東北電力の澄川地熱発電所だ。見えなかっただけかもしれないが、今日はあまり蒸気の上がっている雰囲気は無かった。発電所PR館は新型コロナウィルス感染症への対策で休止中。
なおここにはかつて澄川温泉があったが、1997年 (平成9年) の土砂崩れで赤川温泉ともに廃業となってしまった[1]。
↑ 澄川発電所裏手
↑ 左折澄川発電所PR館、直進ベコ谷地
↑ 霧の中の発電所
発電所を外からちょっとだけ眺めてから進むと、ベコ谷地。これは焼山から流れ出た溶岩の上にできた湿地で、山中に突然、低い草の茂った広い空間が現われる。
↑ ベコ谷地
↑ 沢を渡ったらもうほとんど後生掛
↑ 地獄地帯の中に建つ、後生掛温泉だ!!
↑ これにて下山成功
↑ 施設の裏に温泉設備を見つけた
後生掛温泉
後生掛温泉は秋田焼山の東麓にある温泉で、地獄地帯の真っ只中に建つ一軒宿。昔から湯治場として知られており、現在も湯治部と旅館部で分けて営業している。開湯は1881年 (明治14年)、現在の旅館は1918年 (大正7年) の創業とのこと。もっとも温泉自体は人が暮し始めるよりも遥か前より湧き続けているのだろう。
後生掛の裏には広大な地獄があってそこで湧く温泉を旅館に引いて使用している。地獄には後生掛自然研究路の遊歩道が通されており見学できる。鉱泥が産出し、別府温泉の紺屋地獄と並んで有名である。
今回は、玉川温泉行きのバスに乗らなければいけなかったため、40分ほどしか入浴できず、後生掛自然研究路も見る時間が無かった。
↑ 館内廊下
温泉を使用した浴槽には神恵痛の湯、火山風呂、泥風呂、露天風呂がある。他に蒸気を使用した箱むし風呂と蒸気サウナもある。
神恵痛の湯は浴室に入り、箱むし風呂の前を通り過ぎて右手側手前にある大きな浴槽。浴場内では、神経浴や神恵浴と書かれている。温度は42℃程度で少し熱め。湯の色は灰色で、水中には細かい粒子が大量に浮遊しているため、濁って見える。当然掛け流しで、浴槽縁全体からオーバーフローしている。
火山風呂は神恵痛の湯の奥にあり、気泡浴になっている他、温度も41℃程度で少し温い。ややぬるいからか人気があった。温泉は神恵痛の湯と同じ。
泥風呂は後生掛の名物で、浴槽脇に置かれた鉱泥を身体に塗って入浴する。浴槽は2人しか入れない小さいもので、温度は40℃と温い。焼山の硫黄取りの湯に沈んでいた泥は、わずかに黄色がかった白色だったが、後生掛の泥はなぜか黒みが入り灰色である。
全体的に温度は高くないのだが、なぜか身体が暑くなりやすい。入浴と休憩を繰り返しながら時間をかけて味わうのが良さそうだ。今回はゆっくり浸かっている時間も無かったし、味とか匂いとかの細かいメモをとっていなかったようで、また行ったときに堪能したい。
↑ 後生掛自然研究路から引くオナメ・モトメの湯
後生掛温泉に駆け足で入浴したあと、バス停までダッシュして玉川温泉までバスに乗った。朝、道沿いに駐めたバイクが、少しバスの邪魔になっていることに気付き、咎められる前に逃げるように玉川温泉を脱出した。
温泉の成分
以下は自前のプログラムに分析書のデータを入力して、自動計算したもの。本物の分析書とは計算精度等の理由によりやや値が異なる場合があるかもしれない。
源泉名: オナメ・モトメの湯
湧出地: 秋田県鹿角市八幡平熊沢国有林内34林班口小班
分析年月日: 平成25年8月23日
湧出量 150 L/分 (自然湧出)
pH 3.02
泉温: 87.9 ℃
泉質 単純硫黄温泉 (硫化水素型) (低張性・弱酸性・高温泉)
溶存物質合計 (ガス性のものを除く) 480.46 mg/kg
成分総計 570.96 mg/kg
温泉の成分は以下の通り:
(1) 陽イオン
成分 | ミリグラム [mg/kg] | ミリバル [mval/kg] | ミリバル% [mval%] |
---|---|---|---|
水素イオン (H+) | 0.96 | 0.95 | 24.05 |
リチウムイオン (Li+) | 0.1mg未満 | -- | -- |
ナトリウムイオン (Na+) | 4.80 | 0.21 | 5.32 |
カリウムイオン (K+) | 1.70 | 0.04 | 1.01 |
アンモニウムイオン (NH4+) | 0.20 | 0.01 | 0.25 |
マグネシウムイオン (Mg2+) | 5.30 | 0.44 | 11.14 |
カルシウムイオン (Ca2+) | 10.50 | 0.52 | 13.16 |
ストロンチウムイオン (Sr2+) | 0.1mg未満 | -- | -- |
アルミニウムイオン (Al3+) | 8.60 | 0.96 | 24.30 |
マンガンイオン (Mn2+) | 0.70 | 0.03 | 0.76 |
鉄 (II) イオン (Fe2+) | 11.50 | 0.41 | 10.38 |
鉄 (III) イオン (Fe3+) | 7.10 | 0.38 | 9.62 |
銅イオン (Cu2+) | 0.1mg未満 | -- | -- |
亜鉛イオン (Zn2+) | 0.1mg未満 | -- | -- |
陽イオン計 | 51.4 | 3.95 | 100.00 |
(2) 陰イオン
成分 | ミリグラム [mg/kg] | ミリバル [mval/kg] | ミリバル% [mval%] |
---|---|---|---|
フッ素イオン (F-) | 0.1mg未満 | -- | -- |
塩素イオン (Cl-) | 3.00 | 0.08 | 1.94 |
臭素イオン (Br-) | 0.1mg未満 | -- | -- |
ヨウ化物イオン (I-) | 0.1mg未満 | -- | -- |
硫化水素イオン (HS-) | -- | -- | -- |
チオ硫酸イオン (S2O32-) | 0.30 | 0.01 | 0.24 |
硫酸水素イオン (HSO4-) | 6.10 | 0.06 | 1.46 |
硫酸イオン (SO42-) | 190.20 | 3.96 | 96.12 |
硝酸イオン (NO3-) | 0.1mg未満 | -- | -- |
リン酸二水素イオン (H2PO4-) | 0.7 | 0.01 | 0.24 |
陰イオン計 | 200 | 4.12 | 100.00 |
(3) 遊離成分
非解離成分:成分 | ミリグラム [mg/kg] | ミリモル [mmol/kg] |
---|---|---|
メタ亜砒酸 (HAsO2) | 0.1mg未満 | -- |
メタケイ酸 (H2SiO3) | 212.20 | 2.72 |
メタホウ酸 (HBO2) | 16.60 | 0.38 |
非解離成分計 | 228.80 | 3.10 |
成分 | ミリグラム [mg/kg] | ミリモル [mmol/kg] |
---|---|---|
遊離二酸化炭素 (CO2) | 87.90 | 2.00 |
遊離硫化水素 (H2S) | 2.60 | 0.08 |
溶存ガス成分計 | 90.50 | 2.08 |
(4) その他の微量成分
成分 | ミリグラム [mg/kg] | ミリモル [mmol/kg] |
---|---|---|
総砒素 (As) | 0.02mg未満 | -- |
総水銀 (Hg) | 0.00 | 0.00 |
銅イオン (Cu) | 0.05未満 | -- |
クロム (Cr) | 0.05mg未満 | -- |
鉛イオン (Pb) | 0.05mg未満 | -- |
カドミウムイオン (Cd) | 0.005mg未満 | -- |
微量成分計 | 0.00 | 0.00 |
下記にも掲載しました。
後生掛温泉 - 湯花草子