加護坊温泉さくらの湯 (2020/7/23)
日帰り, 30回目以上, 晴れ, 2020年度中15湯目
明日の湯 (2020/7/23) に入浴後、夜のつまみにもう一湯、「加護坊 (かごぼう) 温泉さくらの湯」にやってきた。私が仙台に住んでいたころ、クラブ活動の合宿所がこの近くにあったため毎週必ず1回以上は通って入浴していた。思い出の温泉である。
ただ色々な名湯を知った今、改めて入浴してみると、温泉の使い方に物足りなさを感じずにはいられない。古代海水の温泉を使った浴槽は全て強い循環で塩素消毒臭が強い。露天ひのき風呂はアルカリ単純温泉の掛け流しだが鮮度感はあまり無い。とはいえ内湯の腰掛け湯でボケーっとしたり、広い露天風呂で夜空をボケーっと眺めたりしてみると、良き旅情が感じられる。ここの、町中でも無く、山中でも無くほどほどに広い空間が好きである。
源泉について、オープン当時は加護坊温泉1号泉・2号泉を異なる浴槽で利用していた[1]。しかし2016年4月に加護坊温泉1号泉は「深部配管の腐食・破損による給湯を休止し」、2号泉のみで運用するようになった[2]。2019年4月頃からは新たに掘削した3号泉を使用[3]し、オープン当時に1号泉を使っていた浴槽に3号泉を投入するようになったようだ。1号泉故障と共に閉館にならなくてよかった。3号泉の方が1号泉よりも成分量が多いようだが、3号泉を源泉そのままで利用している浴槽が無いため、その実力を知ることはできない。
施設・温泉概要
所在地: 宮城県大崎市田尻小塩字八ツ沢37-1
Web: 加護坊温泉 さくらの湯
日帰り入浴: 可 10:00-22:00
宿泊: 可
源泉名: 加護坊温泉2号泉, 3号泉
湧出地: 宮城県大崎市田尻小塩字八ツ沢37-1
湧出量: 記載無し
泉温: 記載無し
pH: 記載無し
成分総計: mg/kg
泉質:
- 加護坊温泉1号泉: カルシウム・ナトリウム-塩化物泉 (高張性・弱アルカリ性・低温泉) 停止
- 加護坊温泉2号泉: アルカリ性単純温泉 (低張性・アルカリ性・低温泉)
- 加護坊温泉3号泉: ナトリウム・カルシウム-塩化物強塩泉 (高張性・中性・低温泉)
一番良い浴槽の温泉利用方法: 露天風呂ひのき風呂で加温有り・加水無し・循環無し・塩素系薬剤による消毒有り
過去の訪問: 直近は2015年4月
施設について
宮城県北部には東北最大級の面積を誇る仙北平野が広がっており、見渡す限りの水田に覆われている。その一部に篦岳 (ののだけ) 丘陵という迫川 (はさまがわ)、江合川 (えあいがわ)、北上川の削り残しみたいな小さな山地があり、涌谷 (わくや) では金を産出し奥州藤原氏の黄金文化を支えたとされる。涌谷とは反対側の丘陵西端部、加護坊山の麓にあるのが「加護坊温泉 さくらの湯」。JR東北本線の田尻 (たじり) 駅から直線距離で2km程度のため徒歩での訪問も可能ではあるが、周囲には水田と集落しか無いため、体感はもっと遠く感じる。
田んぼと山の境界を抜ける道路を走っていくと、ピンク色の看板が現れるため、そこから山側に軽い直線の傾斜を登っていくと温泉施設に到着する。
↑ 綺麗目な建物
冒頭の写真は、上の写真から視線を右に移したところで大浴場と露天風呂
↑ 入口には謎のゆとりがある 屋根下に入って右手奥が玄関
↑ ようこそ さくらの湯へ
入口奥の看板から書き起しておく。田尻町民がかねてより切望していた温泉施設がついに実現したのだという。
ようこそ さくらの湯へ
加護坊温泉「さくらの湯」は、町のシンボル加護坊山に咲き誇る千本桜の春景色にちなみ、町民の公募の中から選ばれた名称であります。
この里山の地域は、「小塩字八ツ沢」の由来のよおり、周囲の八つの沢から湧き出る清水が麓の水田を潤す豊かな土地でありました。
昭和五十九年町制施工三十周年祈念事業として、自然の中での健康づくりを目的に、農村運動公園の整備を図り、その後四十周年記念事業として宿泊施設「ロマン館」が建設され、各種の研修や自然観察など、憩いの場として親しまれてきました。
平成十六年、五十周年を機に、かねてより町民が切望していた温泉休憩施設を建設したものであります。
地下千二百メートルから湧き出た天然温泉の泉質は、成分濃度が極めて高いことから、その効能は大きく、特に美肌効果が期待されます。源泉浴をはじめ、天然石造りの露天風呂、体に優しいサウナ等があり、暖かい温もりの中で心身共にリフレッシュしていただけるものと思います。
周囲には木漏れ日に咲くカタクリの群生地をはじめ、サクラやナラ、ヤマボウシ等、自然豊かな四季折々の景観と森林浴を楽しめる散策路もあり、世界的に貴重な湿地蕪栗沼や、本州最大規模の加護坊パークゴルフ場と連携できる安らぎの場所として、末永く利用されることを祈念いたします。
館内に入ったら、靴を脱ぎ、フロント前の券売機で入浴券を購入しフロントに渡す。フロントでは靴箱の鍵と引き換えにカードを貰う。ロビーを抜けて廊下を進んでいくと、一番奥で男女別の脱衣場に分岐する。
↑ 自動ドアの先に券売機 その先にフロントのお姉さん
↑ 左が男湯、右が女湯
↑ 脱衣場入口 賑わっていたため、これより先は撮影できず
温泉浴槽と浴感
温泉を使用した浴槽は内湯「源泉浴槽」、露天風呂の「大浴槽」「半身浴槽」「寝湯」「ひのき風呂」。うち「ひのき風呂」以外の浴槽では源泉は古代海水由来の食塩成分の多い3号泉を使用している。「源泉浴槽」は加温有り・加水有り・循環無し、塩素消毒有りの使用と思われ、浴槽内の吸入、注入は見当たらずそのままオーバーフロー。露天風呂は鮫川石を配したもので、3段階の深さがある。いずれの浴槽も加温有り・加水有り・循環有り・塩素系薬剤による消毒有り。大浴槽の湯口は、加温有り・加水有り・循環無し・消毒有りと思われるが、浴槽内では底面吸入・底面注入による循環が行なわれている。
湯の色は無く、無色透明。無味ではっきりとした塩素消毒臭が感じられた。濾過と循環が行なわれていると想像。大浴槽の湯口の湯の流れは、焦茶に着色されていた。
「ひのき風呂」は露天風呂の一番奥にあり、1段高いところに設置されている。2人しか入浴できず狭めである。源泉はアルカリ性単純温泉である2号泉を使用し、湯の使い方は加温有り・加水無し・循環無し・塩素消毒有りと思われる。2号泉は成分が薄いので特徴はあまり明確でないが、他の浴槽と比べると鮮度が良いと感じた。見た目は桧のせいかもわからないが、微妙に黄色がかっている。温めなのでダラダラ入浴することができた。
↑ 2号泉と3号泉を浴槽で分けて使用している
温泉の成分
分析書データが手に入れられず。次回訪ずれたらフロントで聞いてみるつもり。