2019/9/1 西那須野温泉大鷹の湯
晴れ 日帰り 1回目
栃木県、那須の平野部である西那須野にある温泉旅館。那須とか塩原の温泉といえば山側にあるイメージだが、ここは国道4号線のすぐ西側にある。東北自動車道からも近い。
少し西側には千本松温泉やピラミッド温泉がある。東側にもまだ、西那須野町健康長寿センターとか乃木温泉ゆの郷、大田原温泉などがあり大鷹の湯の泉質はこちらに近い模様。ざっと調べたところでは、この中で非循環の湯が味わえるのは大鷹の湯のみのようだ。
建物は大きく立派なもの。
正面から見た場合、左側がたぶん宿泊施設で、右側の連絡通路を渡った先が浴場である。
日帰り入浴は、10:00〜14:00 (受付13:00まで)、18:00〜21:00 (受付20:00まで) で受け入れている。
夜時間帯も入浴でき、高速道路にも近いので東北地方からの帰途でも利用できそうだ。
館内は普通にきれいめな感じ。
浴室は男湯と女湯で分かれており、他にも貸切用のもの、客室付属のものがあるようだ。
男湯は内風呂と露天風呂の浴槽がある。
2つは窓を挟んで隣接しているが何故か脱衣場を経由しないと往来できない。
内風呂は細長い長方形の浴槽。最大8人くらいが入浴できそうな大きさ。写真中央の段差側に湯のオーバーフローがあった。
左手奥の角に木箱のような湯口があり、湯がトロトロと流れ出している。
露天風呂は、2〜3人程度が入浴できる岩風呂。写真からはわからないが、手摺奥の岩を伝って湯が注がれている。
湯の感じは内風呂と同じだった。
湯は館内の掲示でしつこい程に主張する通り、加温無し、加水無し、循環、濾過無しで源泉をそのまま利用。
見た目は淡黄色で透明。
味は特に無し、匂いを嗅ぐとはっきりとした粘土臭が感じられた。
最も印象的なのはぬるぬるの感触で指の先までぬるぬるがあった。湯の質感もとろとろしているように思われた。
浴槽の湯の温度は41度くらい。肌に馴染みやすい湯で、ゆっくりと浸かることができた。
源泉成分の割にこれだけの知覚があるのは湯の使い方にこだわりがあるからなのかもしれない。
成分は、陽イオンがほぼナトリウムイオンしか含まれていない点が少し変わっている。陰イオンは塩化物イオンと炭酸水素イオンが主である。メタケイ酸が多く含まれることからも、塩原の湯に近い。
源泉名は西那須野温泉 大鷹の湯。分析日は2012年9月18日、泉温59.1℃、湧出量300L/分 (動力揚湯)、pH8.4、溶存物質計 (ガス性のものを除く) 1131mg/kg、成分総計 1132mg/kg、泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 (低張性弱アルカリ高温泉)。
陽イオンは、ナトリウムイオン (Na) 323.3mg/kg 14.06mval 97.93mval%、カルシウムイオン (Ca) 2.9mg/kg 0.14mval 1.01mval%、カリウムイオン (K) 5.6mg/kg 0.14mval 1.00mval%、以下略、計331.9mg/kg 14.36mval。陰イオンは、塩素イオン (Cl) 28.46mg/kg 8.03mval 56.13mval%、炭酸水素イオン (HCO3) 231.4mg/kg 3.79mval 26.52mval%、フッ素イオン (F) 12.7mg/kg 0.67mval 4.68mval%、炭酸イオン (CO3) 15.1mg/kg 0.5mval 3.52mval%、以下略、計606.4mg/kg 14.30mval。
遊離成分について、非解離成分は、メタケイ酸 (H2SiO3) 156.1mg 2.00mmol、メタホウ酸 (HBO2) 36.2mg 0.83mmol、以下略、計192.4mg 2.83mmol。
浴室の中に長ーい講釈の書かれた大きい掲示がある。その中で、5ツ星源泉のホテルであると書かれている。どう五ツ星なのかというと、
- 自家源泉を持っている。
- 全ての浴槽に源泉一〇〇%をそのまま掛け流し
- 浴槽の温度が一年を通じて適温(四〇度前後)。
- 循環、加水を行わない。
- 毎日清掃を行い、源泉に精通した管理人がいる。
とのことである。源泉利用方法についてのこだわりのようだ。まあありがたいことだ。
よく見たら加温に関する記載が無いようだが、加温はセーフなのか?
で、一般社団法人源泉達人という団体により五ツ星認定されたとのことであるが、その所在は西那須野であり、理事長小森氏は大鷹の湯の掘削者の一人である。氏の自著「究極の源泉宿73」や「正真正銘 五ツ星源泉宿66(祥伝社新書253)」の中でも大鷹の湯を一番長く紹介するというから手前味噌のようだ。