2019/8/4 100のゆ

晴れ 日帰り 1回目

埼玉県北部、加須市大利根総合福祉会館なる施設に併設された温泉。100の湯と書いてとねの湯と読ませる。

化石海水の温泉と思われるが、断言する情報は見つけられなかった。5km程離れた南には百観音温泉があり同じ系統の湯だと思う。百観音温泉は地下1,500メートル、15万年前の地層より自噴する化石海水を利用している。100の湯も近い湯を使っているだろう。筆者が入浴したことのある関東圏の化石海水としては最北、かと思ったが、大洗の潮騒の湯の方が北にあった。

はっきりとしたアブラ臭がある。海水と一緒に地中に閉じ込められた微生物由来と想像する。

正面玄関は福祉会館と共通の入口になっている。
中に入り左手の通路を進むと100の湯の案内があり、券売機が設置されている。
入浴券を渡す窓口は少し役場っぽい。

市外在住で12歳〜69歳ならば1人500円。

脱衣場はシンプルに洗面台と籠のみの構成。
貼紙があり、次のように書かれている。

「お風呂場ご利用の皆さん」へ
お風呂場の床は大変滑りやすくなっていますが、温泉に含まれる成分により滑りやすくなるわけではありません。また、清掃がいきとどかないために滑りやすいわけでもありません。人間の体の成分が溶けて、滑りやすくなるそうです。
風呂場内での歩行には充分にご注意下さい。また、体を洗った後は、床に残ったシャンプーをよく流して下さい。

前半の文章のインパクトが強いので、後半はあまり読まれなそうだと思った。

浴室は内湯のみ。浴室に入ると5人ほど入れそうな浴槽がバーンとあり、その余りスペースにカランがある。休憩用の椅子も1脚だけ置いてある。

浴槽手前角の溝より湯がオーバーフロー。

色は茶色透明。湯の底はよく見える。モール泉とは異なり褐色成分が少なく、私の中では「臭そうな湯」になる。

匂いはむせかえるような鉱物油臭がはっきりとした。新潟県の新津温泉ほどではないけれども、川崎のヨコヤマ・ユーランドよりも明瞭に香った。

浸かると手足が大変ぬるぬるする。ぬるぬるの要因は異なると思うが都幾川温泉とき川に近い感触だった。

温度は41度位で入りやすい。しかし強い温まりがあるため、しばらく入浴するとのぼせ感と共に汗が止まらなくなる。脱衣場の良い場所に扇風機があるのでそれを使って涼んだ。

味覚は、ソフトながらはっきりとした鹹味。匂いに反して飲みやすい。

加温有り、加水無し、循環無し、消毒有り。

消毒が惜しいが福祉施設と一体のため仕方が無いか。塩素消毒により匂いが強くなるパターンかもしれないが、正直全然分からない。

中毒性の高い湯だった。涼しい季節にまた訪れたいところだ。
今回は外気温35℃で、暑くてたまらなかった。

湯は湯口内部の上から流し落とされる。湯量は多くジャバジャバと浴槽に注がれていた。同量の湯が湯口反対側からオーバーフローし、湯の鮮度は高く感じた。

童謡のふる里おおとね温泉。源泉温度41.3℃、pH7.3 中性、湧出量記載無し、成分総計8229.6mg/kg、泉質は記載無いがナトリウム-塩化物温泉にあたる。
陽イオンはナトリウムイオン (Na) 2783.0mg/kg 121.10mval 89.57mval%、カルシウムイオン (Ca) 209.2mg/kg 10.44mval 7.72mval%、計3061.0mg/kg 135.20mval。陰イオンは塩素イオン (Cl) 4841.0mg/kg 136.5mval 98.11mval%、炭酸水素イオン (HCO3) 139.8mg/kg 2.29mval 1.65mval%、計5006.5mg/kg 139.1mval。溶存ガスは遊離二酸化炭素 (CO2) 11.8mg 0.27mmol。非解離成分は、メタケイ酸 (H2SiO3) 82.4mg 11.0mmol、メタホウ酸 (HBO2) 67.7mg 15.0mmol。

アブラ臭を分析書から読み取ることができない。