2019/10/9 千年湯
日帰り 晴れ 2回目
千年温泉は神奈川県川崎市高津区の温泉銭湯。
JR南部線の武蔵新城駅で降りて商店街の外側を南に500mほど歩いた辺りにある。武蔵新城駅は、新興タワーマンションが並ぶ武蔵小杉駅と、いい感じに汚れた感じが川崎らしい武蔵溝ノ口駅の、ちょうど真ん中位に位置。隣は武蔵中原駅。
千年温泉は「ちとせおんせん亅と読む。千年はこの地域の地名。
この地は旧千年村の村名を受け継いだ町名で、それ以前明治 8 年「清沢村」と「岩川村」が合併して成立した「千歳村」が明治 11年に千年村と表記を改めたものです。千年村は明治 22 年に市制・町村制施行とともに「橘村」の大字となり、昭和 12 年に川崎市の大字、47 年に高津区の大字となり、現在に至っています。
たかつニュース 千年地区を訪ねよう
http://takatsu-machinet.kazekusa.jp/magazine/35.pdf
営業時間は平日14:00-24:00、土日祝11:00-23:00。金曜日が定休日なので注意が必要。
入浴料金は470円で、東京都の公衆浴場の入浴料金と同じ。
2018年9月リニューアル
ここ千年湯には以前、2016.10.16に入浴したことがある。その時は千年温泉という名前で営業していた。
その後、リニューアルのために2017.8.7より休館し、2018.9.10に千年湯という名称で再開したようだ。
今回の入浴はリニューアル後初めてである。
清潔かつお洒落でありながら実用性の高い、よい改装と思った。
休憩席には謎の犬ロボット。
露天風呂に黒湯温泉
浴場は男女別で、男湯しか知らないが男女で左右対称になっているタイプのようだ。
内風呂と露天風呂があり、内風呂には温泉ではない大浴槽と、ジェットバスがあったようだ。利用していないのでよくわからない。
温泉を使っているのは露天風呂で黒湯を利用している。内風呂から出て左手に、縦に長方形の石造りの浴槽が1つ。
浴槽は3つに仕切られているが、部分的に繋がっていて湯を共有している。大きさは手前からそれぞれ2人、1人、1人が入れるくらい。
1番手前の湯の底からボコボコと黒湯を注入している。浴槽温度は42℃くらい。2人で一杯な大きさであるにも関わらず、地元民は3人で入っているタイミングがあった。
湯は真ん中の浴槽に流れていくようになっている。真ん中は電気風呂である。やはり電気風呂は他と比べて人気が無かった。電気が嫌いでも避けて入浴すればゆっくり入れる。
次に奥の浴槽に湯が流れる。この浴槽はただの黒湯浴槽で、静かに入るならここである。ただし1人しか入浴できない。脇にはカランがあったが、捻ってみたところ普通の水が出てきた。
内湯は非温泉の浴槽3つと水道水の水風呂1つ。水風呂は18℃と書いてあった。
浴場内には水飲み場もあり助かる。蛇口は学校などによくある、水の出口を上に向けて飲めるタイプ。ちなみに万能水栓というらしい。
見通し2cm未満の真っ黒な湯
温泉は加温有り、加水無し、循環有り、塩素消毒有りで利用されている。塩素消毒の匂いは感じられず、そこそこ湯が入れ替わるようになっているようだ。
先述の通り、千年湯の温泉は黒湯である。東京都南部や神奈川県北部では一般的な黒湯であるが、ここは見通し2cm未満で非常に色の濃い真っ黒な湯。
こんなに黒い湯は最近入浴したところでは北品川温泉天神湯くらいである。
2019/6/4 北品川温泉天神湯
視覚的には、白い泡状の湯の花も多く浮遊している様子が見られた。
味は、あまり調べなかったが無味。
匂いは、濡れた草と土の匂いを思わせるタイプのジャングル的モール臭。品川区の八幡温泉を思い出した。
2019/4/8 八幡温泉
浴感は指先や肌がはっきりとヌルヌルした。後述する成分で、炭酸水素イオンの含有量が相対的に多い温泉はこのように強くヌルヌルする傾向があるように感じる。
炭酸水素イオン量が突出する純重曹泉
温泉分析書は2009年のものと、1978年の2通が掲示されていた。今回は新しい方について記載する。
源泉名は川崎温泉 (源泉名 千年温泉)。台帳番号 第22号。泉温17.8℃、pH7.7、蒸発残留物1360mg/kg、成分総計1560mg/kg、泉質はナトリウム-炭酸水素塩冷鉱泉 (低張性 弱アルカリ 冷鉱泉)。湧出量は2009年に記載無しのため1978年のものによると105L/分。
代表的な成分は以下の通り。
陽イオンは
ナトリウムイオン (Na) 354mg/kg
カリウムイオン (K) 32.4mg/kg
カルシウムイオン (Ca) 20.9mg/kg
総鉄イオン (Fe2+Fe3) 1.3mg/kg
以下略。
陰イオンは
炭酸水素イオン (HCO3) 1036.0mg/kg
塩素イオン (Cl) 11.9mg/kg
炭酸イオン (CO3) 21.6mg/kg
以下略。
非解離成分は
メタケイ酸 (H2SiO3) 88.7mg/kg
遊離二酸化炭素 (CO2) 48.0mg/kg
以下略。
以下は1978年の分析書。