2019/11/10 COCOFUROますの湯
晴れ 日帰り 1回目
東京都南部、大田区にある温泉銭湯。
以前は益の湯という名前で営業していたが、2019年3月1日にリニューアルオープンしスタイリッシュになった。以前は無かった (と記憶している) 生源泉つぼ湯が新たに設置され、冷たい源泉そのままの入浴できるようになった。
東京都大田区は黒湯温泉の多く湧出する地域で、特に東急池上線沿いに温泉が密集している。ますの湯があるのは池上線の久が原駅の近くである。
池上線周辺の温泉と最寄り駅を挙げる:
- 蒲田駅: 改正湯、ゆ〜シティー蒲田、蒲田温泉、スパ&ホテル和
- 蓮沼駅: はすぬま温泉
- 池上駅: 久松温泉、桜館
- 千鳥町: 無し
- 久が原駅: COCOFUROますの湯、久が原湯 (少し遠い)
- 御嶽山: 調布弁天湯
- 雪が谷大塚、石川台: 稲荷湯
私が東京に来たときは小松湯、ホテル末広などもあったが、閉館してしまった。
他に京急線沿いにも色々あるが、今回は紹介しない。
この地域の温泉施設はいかにも昭和の銭湯らしい作りのところが多く、また湯使いも基本的に加温有り、循環有りで源泉浴槽も無い。ますの湯も以前はその例に漏れなかったが、リニューアルにより見た目、湯使いともに現代的に変化した。
入浴料金は470円。
営業時間は6:00-24:00 (最終入館23:30)。
黒湯のかけ流し温泉
浴槽は3つで、黒湯の主浴槽と、炭酸風呂、生源泉つぼ湯がある。温泉を使っているのは主浴槽とつぼ湯。
主浴槽は加温かけ流し。加水無し、循環無し、塩素消毒無しで黒湯を利用する施設は珍しい。
浴槽サイズは5人くらいであるが、大変混雑しており最大8人が入っていた。
いつも混雑しているのだろう。訓練されているのか、みんながきっちり詰めて入浴しているため、浴槽サイズに対して過剰な人数が同時に入浴できる。ちなみに入浴した時間帯は16時〜17時半くらい。
浴槽の構造は、湯口から注がれた湯が反対側の浴槽縁の溝よりオーバーフローするシンプルなもの。湯口は壁側にあり、うっすら茶色い熱い湯が浴槽にジョボジョボと注がれている。底面注入、吸入は無く、文句無しの掛け流しである。
湯は黒色で見通しは15cm程度。大田区の温泉では平均程度の濃さであるが、全国的にみればかなり濃厚と言えるだろう。白い湯の花は特に見られなかった。
湯の温度は41℃くらい。熱過ぎでもなくぬる過ぎでもなくちょうどいい塩梅である。熱いと落ち着いて入浴できないし、ぬるすぎると人の回転が悪くなり混雑するので難しいところである。
入浴感としては、体が程々に温まった。
クラクラするほどでもないが、すぐ冷めるほどでもなく、バランスのとれた浴感である。
いい感じにぬるぬるしており、掛け流し感もあり、優れた浴槽である。
清澄感のある生源泉つぼ湯
生源泉つぼ湯は、黒湯の冷たい源泉がそのまま湛えられている。
東京、横浜エリアで生源泉という単語を目にするのは初めてである。埼玉県の温泉スーパー銭湯でよく使われる単語なので、そちらから輸入してきたのかもしれない。
1人しか入ることのできない小さい浴槽である。小さくても源泉浴槽を設置してもらえて最高の神リニューアルである。というか浴槽は小さければ小さいほど新鮮な状態で湯に浸かれるので、この方がありがたい。
湯口からジョロジョロと源泉が注がれた源泉が、つぼ浴槽の縁から溢れ出す構造。
浴槽が小さいため、人が入ると湯はかなり減ってしまうが、すぐに溜まる。
新鮮な湯で満たされているため、高い清澄感があり気持ち良い。
混雑時間になるとたて続けに入浴するためか鮮度が少し落ちた気がした。
源泉を楽しむならば深夜や昼前など空いている時間を狙っていきたい。
湯の温度は温度は20℃くらい。
色は黒色透明で透明度は40cm。黒湯は加温した方が色やヌルヌルの肌触りの特徴がはっきりとすることがあるが、ここもそのパターンのようだ。
湯口から出る湯を賞味してみたが、味は無し、匂いも無し。
つぼ湯の横には休憩用の椅子が設置されているが、つぼ湯が利用されている場合にはその椅子で待機するのがローカルルールとなっているようだ。浴槽が空いても、椅子に座っている人がいたらひと呼吸おいてから入浴するようにしないと、うっかり横入りになってしまうかもしれない。
湧出量260L/分の黒湯
源泉名は天然温泉 益の湯。
分析年月日は2018.2.16。湧出量は259L/分 (動力揚湯)、pH8.5、泉温17.6℃、溶存物質計 (ガスを除く) 580mg/kg、成分計 590mg/kg、成分総計、温度が足りないため泉質名は無し。方向性としてはナトリウム-炭酸水素塩泉。旧泉質名は重曹泉。
成分は以下:
陽イオンは、
ナトリウムイオン (Na) 133.6mg/kg 5.81mval/kg 88.34mval%、
カリウムイオン (K) 6.4mg/kg 0.21mval/kg 3.23mval%、
カルシウムイオン (Ca) 4.2kg/kg 0.21mval/kg 3.19mval%、
マグネシウムイオン (Mg) 3.5mg/kg 0.21mval/kg 3.13mval%、
アンモニウムイオン (NH4) 2.4mg/kg 0.13mval/kg 2.03mval%、
以下略、
計 151.1mg/kg 5.58mval/kg。
陽イオンは、
炭酸水素イオン (HCO3) 379.1kg/kg 6.21mval/kg 93.42mval%、
炭酸イオン (CO3) 9.1mg/kg 0.30mval/kg 4.55mval%、
塩素イオン (Cl) 3.3mg/kg 0.09mval/kg 1.40mval%、
以下略、
計 393.0mg/kg 6.65mval/kg。
遊離成分で非解離成分は、
メタケイ酸 (H2SiO3) 37.7mg/kg 0.48mmol/kg、
以下略、
計 39.0mg/kg 0.51mmol/kg。
リニューアルに伴い分析もやり直したようだ。
成分量はあまり多くないが、黒湯の特徴ははっきりと出ていると感じた。
湧出量も十分に多九、そのおかげで大田区でもトップクラスの湯の使い方ができるのだろう。